耳鼻咽喉科

耳鼻咽喉科の紹介・特色

嘉藤 秀章
主任医長:嘉藤 秀章

 耳鼻咽喉科が担当する耳、鼻、のどの病気は、きこえや体のバランス、におい、味などの感覚と、顔の表情をつくったり声を出したりする運動の神経、鼻から気管にいたる呼吸のための通路、口から食道にいたる食べ物の通路といった多くの領域にまたがっています。
 それらのさまざまな疾患に対し、専門的な診療を行います。

  1. 慢性副鼻腔炎に対する内視鏡を用いた機能手術
  2. 慢性中耳炎に対する聴力改善手術
  3. 甲状腺悪性腫瘍に対する外科手術
  4. 甲状腺良性腫瘍に対する整容に配慮した内視鏡下手術
  5. 頭頸部悪性腫瘍に対する機能温存に配慮した治療

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診療(手術)実績

(件数)
2011年 2012年
鼻・副鼻腔の内視鏡手術 66 51
甲状腺癌の手術 15 17
甲状腺良性腫瘍の手術 11 13
バセドウ病の手術 5 7
扁桃・アデノイド切除術 34 34
鼓室形成術 29 15
鼓膜形成術 5 7
頭頚部悪性腫瘍手術(甲状腺を除く) 6 7
頭頸部良性腫瘍手術(甲状腺を除く) 15 6
その他 66 58
手術総数 252 215

対象疾患名

中耳炎、副鼻腔炎、鼻炎、扁桃炎、睡眠時無呼吸症候群

頭頚部腫瘍(頸部、甲状腺、口腔、咽頭、喉頭、唾液腺などの腫瘍)

医師紹介

外来担当医師表

施設認定

日本耳鼻咽喉科学会認定専門医研修施設

甲状腺専門外来について

 このたび甲状腺の病気に対して、幅広く全般的にかつ専門性を持った診療を行うことを目的とし、耳鼻咽喉科外来の中に甲状腺専門外来を設けることとなりました。甲状腺の病気を専門的に扱う病院・診療科は全国的にもかなり少数です。いざ甲状腺の病気を疑っても、どの病院の、どの科、どの医師診察を受けたらよいのかわからないこんな患者さんの声をよく伺います。また、いざ治療を受けるとなっても手術などの治療を行う科と術後の通院で診察を行う科が違う場合も多く戸惑ってしまうことも多いのではないでしょうか。

当科ではこのような現状を考え甲状腺の病気を患う患者さんに

・ わかりやすく来院しやすい環境を整え

・ 高レベルの専門的診断・治療を行い

・ その後も同じ担当医が継続性を持って経過をみる

このような医療サービスを提供することといたしました。

甲状腺の病気とは

・女性に多い

 甲状腺の病気は女性に多くみられる病気です。ある調査では健康と思われる40歳以上の成人女性を対象とした健診では20%程度の高い頻度で何らかの甲状腺の病気が見つかったという報告があります。もちろん男性でも甲状腺の病気になるのですが圧倒的に女性の方が多く、女性の病気といっても過言ではありません。

・病気と気付きにくい

 甲状腺の病気の症状は 疲れやすい、むくみやすい、便秘がちである、冷え症であるなどの症状やあるいは逆に日々動悸がする、イライラし落ち着かない、暑がりで汗をかきやすいなど一般的に多くの女性が日々感じている症状に類するものが多くあります。ゆえにご自分の判断で産後の疲れかなとか、更年期だからしょうがないとか、老いによるものかとあきらめてしまっている方が実は甲状腺の病気が原因であったということもあります。

主な病名は

・甲状腺良性腫瘍(濾胞腺腫、腺腫様腺腫など)

・甲状腺悪性腫瘍(乳頭癌、濾胞癌、髄様癌など)

・甲状腺機能亢進症(バセドウ病、プランマー病など)

・甲状腺機能低下症(慢性甲状腺炎など)

その他にも様々な病名があります。

治療方針

 甲状腺の病気はきちんと治療すれば治ることがほとんどです。たとえ悪性腫瘍であっても他の癌、例えば胃がんや肺がんなどと比べてもおとなしい性質のものが多く悪性という診断でも決して悲観すべき事ではありません。またホルモンの分泌異常で上記のような症状が出ても内服薬、アイソトープ治療、手術などできちんと治療することによって通常どおり不都合なく生活することが可能です。もちろんごく一部には進行し命に関わるような状態になる場合もあるので不足のない十分な治療が大前提ですが、可能であれば余分な負担をできるだけ減らすような治療(低侵襲治療;ミニマルインベイシブテラピー)を心がけています。当科では多施設にはない最新の治療を行っておりますのでいくつかご紹介いたします

甲状腺内視鏡下手術

 全国的にみてもこの手術を行っている施設はごくわずかであり、北陸・中部・関西圏で常勤医が実績をあげきちんとした報告を行っている施設は当科のみです。甲状腺の手術はノドボトケの下あたりのくびの皮膚を大きく切開(大凡7cm程度)し行うことがほとんどです。しかし術後の違和感、突っ張り感、飲み込みにくさなどを伴います。また術創(切開した後のキズ)は目立つものであり襟元の開いた服をきる時などにはかなり気になるという患者さんが多くいらっしゃいます。このような患者さんの負担を減らすことができないかということからこの手術は開発されました。鎖骨の下あたりに3cmほどのキズを作るだけで手術を行い内視鏡で情報を得ながら特殊な手術機器を用いて行います。内視鏡で見ると手術する部位は拡大して見えますので通常の手術と比較しても重要な神経なども見つけ易く傷つける危険性も少なくなります。キズの縫合の仕方を工夫していますので術後早期の退院も可能です。キズを目立たず・小さく・美しくすることがこの手術の目的であり最大のメリットです。さらに当科ではキズをさらに目立たぬよう腋窩(わきの下)にキズを移動し皮膚を吊り上げ手術を行う新しい術式を開発しました。この術式を行っているのは全国でも当科のみです。病状が比較的軽い場合が対象となりますので手術が必要な患者さん全てに行うことはできませんが適応がある方には積極的にお勧めしています。

アイソトープ治療

 進行した悪性腫瘍の術後やバセドウ病に対して行う治療です。甲状腺の悪性腫瘍は一般的な化学療法や放射線治療がほとんど効きません。よって甲状腺を全部取ってしまわなければならないような進行した場合は術後の追加治療としては非常に重要です。従来の放射線治療と比べて皮膚の焼け爛れなどの副作用は少なく身体への負担も少なくなっています。進行した病状の方には再発の危険を少しでも減らせるよう徹底した治療を行います。またバセドウ病に対しては薬が効かないあるいは薬を中止せざるを得ない場合の手術を回避できる唯一の選択肢であり非常に有効です。当院には核医学専門医が常勤しており、この治療が行えるのは県内では当院のみです。核医学医と連携し治療の重要な1選択肢として必要な方にはお勧めしています。

 この他にもペイト療法(甲状腺の病巣部にアルコールを注入し組織や機能を失わせてしまう治療)など様々な選択肢を取り揃えています。

 すべての甲状腺の病気に悩む患者さんのための専門外来です。あなたのかかりつけの担当の先生を通じてまたは直接下記の連絡先までお尋ねください。より多くの患者さんの御来院をお待ちしております。

甲状腺専門外来(どのような甲状腺の病気に対しても対応いたします)

福井県立病院 耳鼻咽喉科 外来受付

電話 0776-54-5151 内線2250

かかりつけ担当先生方

福井県立病院 地域医療連携室

電 話:
0776-57-2900(直通)
FAX:
0776-57-2901
図1 内視鏡手術の模式図

内視鏡手術の模式図

図2 実際の内視鏡手術の様子

実際の内視鏡手術の様子

図3 内視鏡で拡大されてみえる重要な神経

内視鏡で拡大されてみえる重要な神経

図4 術後のキズ

術後のキズ

図5 大きく襟元の開いた服でもキズは隠れ目立たない

大きく襟元の開いた服でもキズは隠れ目立たない