精神科

精神科の紹介・特色

 現代のめまぐるしく変化するストレス社会では、国が最近、精神疾患をがんや脳卒中などと並ぶ五大疾病の一つに指定したように、精神疾患の概念や病態はますます多様化し広がり、迅速・適切な対応が不可欠になっています。厚生労働省の「精神保健医療福祉の改革ビジョン」には、「入院治療から地域社会への展開」という方向性が掲げられ、精神病床の機能分化や、早期退院・社会復帰を目指した入院期間の短縮、地域との連携強化など、より効率的な治療体系が求められています。福井県内でも病床を持たない精神科クリニックが増え、症状の軽い患者さんが随分受診しやすくなっている反面、救急・急性期や重篤な身体合併症など緊急・重症の患者さんを受け入れる医療機関が少ないのが現状です。

 県立病院こころの医療センターは、精神科・心身医療科・デイケア科・作業医療科から構成され、また精神科救急病棟・身体合併症病棟・アルコール依存治療プログラムなど特化した診療体制を備え、急性期から社会復帰までの一貫したチーム医療に基づく心の診療やリハビリに力を注いでいます。また、救急医療・心身医療・緩和ケア・災害医療などの面で、精神科は診療部門の枠を超えた病院横断的に重要な役割を果たしています。当科では、一般身体科と隣り合った総合病院機能上のメリットを最大限に活かし、高度な医療技術・設備や訪問介護などアウトリーチ機能を駆使した地域包括的な精神科先進医療を展開しています。

 当科の特色として、「心身両面からの全人的な医療」を実践していることが挙げられます。総合病院には内科、外科、小児科、産婦人科などいろいろな診療科があり、種々の検査や診察・治療を受けることが可能です。心の病気は、心だけでなく身体にも様々な症状が出ることがあります。また逆に身体の病気に心の症状を合併することも高い頻度で認められます。他科との連携およびチーム医療によって、より広くより柔軟に、心の病気に対応することが可能です。このような総合病院が担う大きな使命の一環として、心と身体の病気を併せ持つ、精神科入院治療が必要な急性期の患者さんのための身体合併症治療病棟を平成二十年に開設し、地域の多様なニーズに応えるべくフル稼働しています。

 また今や救急患者の十数%程度は自殺やうつ病、不安症などの精神科関連と言われ、福井県では精神科救急情報センターを中心に、夜間・休日の精神科救急医療当番病院体制が整備されています。県立病院は三次救急病院(県内唯一の)であるという性格上、県内全域から急性期や身体合併症を含む重症な精神疾患の方が集中的に紹介・搬送されてきます。これに対応すべく、精神科救急医療を特に手厚い医療・看護体制で行う、県内唯一の精神科スーパー救急病棟を平成十九年に開設しました。患者さんが速やかに病状回復し早期の社会復帰が図られるよう、医師・看護師・精神保健福祉士・心理士・作業療法士などが密に連携した多職種協働のチーム医療(デイケアや訪問介護など含めて)を展開しています。

 外来は以前には一日平均二百名を超える患者さんが受診され、許容限界を超え待ち時間が長いと不評でした。このため紹介外来予約制を導入し、患者さんの病状や経過によっては通院の利便性の良い他の医療機関を紹介しました。また外来診療を原則午前中として、午後は緊急・重篤な患者さんなどを中心とした病棟業務に重点を置く体制と致しました。この結果、平成二十七年度の外来患者数は一日約百数十名となり、一人当たりの診療時間を確保する効果も生んでいます。外来機能の充実のため、今後も地域医療連携の流れを着実に推進していきたいと考えています。

診療実績

平成27年度

一日平均入院患者 約160人
平均在院日数 約130日
一日平均外来患者数 約130人

対象疾患

統合失調症、妄想性障害
気分障害、うつ病、躁うつ病
不安障害(全般性不安障害、適応障害、社交不安障害、強迫性障害など)
症候性・器質性精神疾患(認知症やせん妄を含む)
身体表現性障害、心身症
アルコール・薬物関連障害
精神保健福祉法の措置入院・応急入院
不眠症

精神科での主な治療法

精神科での主な治療法
薬物療法(標準的なガイドラインを踏まえた薬物選択)
治療抵抗性統合失調症に対するクロザピン療法
認知行動療法
SST、心理教育・疾患教育
アルコール依存症治療プログラム
修正型電気けいれん療法
精神科デイケア
精神科作業療法

医師紹介

外来担当医師表

施設認定

応急入院指定病院
医療観察法指定通院医療機関
日本精神神経学会精神科専門医研修施設
日本老年精神医学会専門医制度認定施設
日本総合病院精神医学会専門医制度研修施設

お知らせ

 精神医療変革の時代を迎え、現代のストレス社会では精神疾患の概念や病態はますます多様化し広がり、迅速・適切な対応が不可欠になっています。当科は総合病院として他の診療科や様々な県内精神科医療機関との密接な連携の中で、心身両面に配慮した全人的な医療の提供と多職種協働のチーム医療により、地域社会に開かれた質の高い精神医療に取り組んでいます。早期発見・早期治療が大切ですので、お気軽にご相談ください。相談は精神科・心身医療科外来、医療生活相談室、なんでも相談で承っています。