転移性がん

 陽子線治療は、照射した部分にしか効果が期待できない局所療法です。したがって、転移性腫瘍のように原発巣から、がんが広がってしまっている場合には、陽子線治療だけではがんの根治はできません。抗がん剤を用いる全身化学療法が必須となります。しかし、例えば、大腸がんでは、肝臓や肺への転移病巣を完全に切除すると、場合によっては完治することが知られています。このように、局所治療でも延命効果が期待できる場合には、陽子線治療の対象となる可能性があると考えられます。
1)発見された転移性腫瘍が1ヵ所だけで、その状態が続いている。
2)化学療法の効果により小さな転移性病巣は消失したが、大きな病巣が1ヵ所まだ残っている。
このような場合は、陽子線治療の適応になります。
 また、X線治療でもよく行われていますが、骨転移などにより強い痛みが起こるといったQOL(生活の質)を非常に悪化させている場合、その原因となっている転移病変を治療することで、QOLを改善する目的に、陽子線治療が使われる場合もあります。

治療方法

 部位によって異なります。
通常、2から3方向より、1日1回の照射を月曜から金曜日に続けて10回から35回(2週から7週)行います。1回の照射に必要な時間は、位置決め等も含めて30分程度です。
 照射回数は、がん病巣の大きさ、位置、全身状態など、様々な要素を考慮して、適切な回数を治療計画作成時に医学的に決定します。
 また、肝臓や肺への転移等、がん病巣が呼吸によって動く場合は、呼吸の一定の時期(息をはいて、次に吸い始めるまでの期間)をねらって陽子線を照射する、呼吸同期照射を行います。

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治療成績と副作用

 十分に陽子線を照射できれば、照射した部位の転移性病変を制御できる可能性は高いですが、転移性腫瘍では局所だけを治療してもがんを完全に治療したことにはなりません。
 副作用は、陽子線照射に含まれる正常組織によって異なります。具体的には御相談ください。

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