肝臓がん

 肝臓から発生するがんの約9割は、肝細胞がんです。肝細胞がんの約9割は、B型またはC型肝炎ウイルスが原因です。そのため、肝内の別の場所から再発しやすいのも特徴の一つです。肝細胞がんに対する治療法には、外科的切除、がんに針を刺して加熱し焼いてしまう、RFA(ラジオ波焼灼療法)、カテーテルという細い管を、肝細胞がんに血流を供給している肝動脈まで進めて薬を注入し、動脈をつまらせる肝動脈化学塞栓療法(TACE)などがあります。陽子線治療は、体外から陽子線を肝細胞がんに集中して照射する方法で、治療中の体の負担が小さく、手術に匹敵する治療成績が報告されています。

治療方法

 通常、2から3方向より、1日1回の照射を月曜から金曜日に続けて10回から35回(2週から7週)行います。1回の照射に必要な時間は、位置決め等も含めて30分程度です。
 照射回数は、がん病巣の大きさ、位置、全身状態など、様々な要素を考慮して、適切な回数を治療計画作成時に医学的に決定します。
 また、肝臓がんは呼吸によって動きますので、呼吸の一定の時期(息をはいて、次に吸い始めるまでの期間)をねらって陽子線を照射する、呼吸同期照射を行います。

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治療成績と副作用

 肝細胞がんに対する陽子線治療については、筑波大学などより、外科手術に匹敵する治療成績が報告されています。照射部位については、90%近い局所制御率が発表されています。肝細胞がんは、治療しても、他の部位から新しいがんが出てくることが多いのですが、肝機能が維持されていれば、繰り返して陽子線治療を行うことも可能です。 陽子線治療中の副作用としては、照射している部分の皮膚に日焼け様の変化が出てきます。肝機能の低下による倦怠感などの症状がみられることがありますが、陽子線治療では、手術と異なり、照射野の肝細胞は、ゆっくりと障害されていきますので、肝臓の照射野以外の部分で代償され、肝機能低下による強い症状があらわれることは、あまりありません。 肺、肋骨、腎臓、消化管などが照射範囲に含まれれば、それぞれの部位に応じて、肺炎、肋骨骨折、腎機能低下、消化管出血、消化管穿孔といった副作用が出てくる危険性があります。

 

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