前立腺がん

 前立腺がんは、アメリカでは男性がかかるがんの第1位です。日本でも、近年、急激に患者数が増加しています。PSA検診などにより早期に診断され治療を行えば、90%以上の人が完治します。前立腺がんの治療法には手術療法、内分泌治療、放射線療法などがあります。陽子線治療は、放射線療法の一種です。

治療方法

①低リスクグループ:陽子線治療単独

 1日1回2.0Gy(RBE)を毎日続けて37回照射。(土日、祭日を除く)
 総線量 74.0Gy(RBE)を、7.4週で照射。
 1回の照射のための時間は、15分から20分です。
 すでに内分泌治療が行われている場合には、少なくとも6ヵ月程度続けて終了とします。 Gleason score 7の場合には、少なくとも6ヵ月程度の内分泌治療を実施してから、陽子線照射を開始するのが望ましい。

②高リスクグループ:内分泌治療+陽子線治療

 まず、内分泌治療を行い、PSA値が1.0程度に低下してから、陽子線治療を追加します。内分泌治療は、原則として24カ月程度の長期間実施します。
 ただし、内分泌治療を行ってもPSA値が低下しない場合や、肝機能異常などの副作用が強くて、内分泌治療を継続できない場合は、ただちに陽子線治療を開始します。
 1日1回2.0Gy(RBE)を毎日続けて39回照射。(土日、祭日を除く)
 総線量 78.0Gy(RBE)を、7.4週で照射。
 1回の照射のための時間は、15分から20分です。

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治療成績と副作用

 前立腺がんに対する陽子線治療は、手術による前立腺全摘出術と、同程度の治療成績が報告されています。治療効果の評価は、定期的にPSA値を測定することにより行われます。
 陽子線治療の後半に起こる副作用として、照射部位の皮膚の日焼け様変化と、排尿回数の増加、排尿時違和感などの排尿障害があります。これらは、照射が終了すると、すこしずつ元にもどっていきます。
 陽子線治療後、半年から2年程度経ってから起こる副作用として、便に血が混じる直腸出血や、尿に血が混じる膀胱出血があります。いずれも発生率は5%以下と報告されています。また、非常に稀ですが、尿道狭窄、さらには尿道閉塞の危険性も0ではありません。
 当センターでは、陽子線照射の直前に超音波検査で膀胱の蓄尿量を測定したり、陽子線照射直後に放射化PET/CTを行って陽子線の照射野を画像化し、膀胱や直腸への不要な照射範囲を減らし、直腸出血や膀胱出血といった副作用が少なくなるように工夫をしています。

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