診療科・医療技術部門・センター Department

婦人科

紹介・特色

各分野の専門医が在籍

薬物療法から手術療法まで幅広い治療選択肢の中から、患者さんと相談の上、最適な治療を決定していきます。県立病院婦人科には、腹腔鏡手術、婦人科悪性腫瘍、女性ヘルスケア、遺伝診療の各専門医が常勤しており、幅広い疾患に対して専門性の高い治療が可能です。

手術は身体に優しく

手術が必要となった方には、良性疾患、悪性疾患とも身体への負担が少ない低侵襲手術(腹腔鏡、ロボット)を心掛けています。術後の痛みが少なく、入院日数を短縮し、早期の社会復帰をサポートします。

豊富なスタッフで24時間365日対応

大学病院を除いた県内総合病院の中で産婦人科常勤医数は最多です。24時間365日、産婦人科医が常駐しており、救急疾患や重症例への対応も積極的に行っています。女性医師も多く、ちょっとした悩み事も相談しやすい環境です。

チーム医療で最新・最適な治療を提供

当科では、従来からの主治医制ではなく、複数医師によるチーム制を実践しています。入院患者さんに対しては、毎朝チーム内で情報共有し、治療方針を決定しています。症例検討会では様々な意見を出し合い、最適な治療方針を検討しています。また、勉強会では、手術動画供覧による手術手技向上、最新の医学論文を読み合い知識のアップデートにも努めています。このように、各患者さんの治療状況・方針について、チーム全体でディスカッションし最新・最適な治療を提供します。

当科で行っている治療に興味がある方は、お気軽にご相談下さい。

良性疾患

卵巣腫瘍、子宮筋腫、骨盤臓器脱(子宮脱)、子宮ポリープ、月経トラブル、性感染症、不妊、更年期障害など幅広く対応致します。薬物療法などで対応可能な場合は、地域の婦人科クリニックへ逆紹介させて頂く事も可能です。その際も、治療方針の再検討や手術が必要となれば、速やかに当科を受診頂く事が出来ます。

手術について

卵巣腫瘍・子宮筋腫

年齢や妊娠希望の有無を考慮した上で、腫瘍部分のみを摘出して卵巣や子宮を残す方法と、卵巣や子宮を丸ごと摘出する方法があります。

いずれの方法でも、原則以下のような低侵襲手術を行います。腫瘍が大きい、悪性の可能性がある場合など、やむを得ず開腹手術になることがあります。開腹手術では創が大きくなり、術後の痛みや合併症も多くなりがちで、術後約1週間の入院が必要です。しかし、低侵襲手術の場合、痛みが少ない分、術後3~4日目に退院となり早期社会復帰が可能です。

腹腔鏡

お腹の創は、単孔式(臍に25-30mmの創が1つ)、多孔式(5-12mmの創が3-4か所)のいずれかで行いますので、開腹手術と比較して美容的にも優れています。どちらの方法で行うかは、病状によって変わりますので、ご相談させて頂きます。(創部イメージ参照)

ロボット支援下手術

子宮筋腫に対する子宮全摘術では、ロボット支援下手術(da Vinci Xiサージカルシステム)によって手術を行う場合があります。開腹や腹腔鏡と比較して、より精緻な手術を行う事が可能で、出血量を減らし、身体に優しい手術が出来ます。お腹の創については、臍に25mm、その他8mmの創3か所で手術を行います(ロボット手術の風景、創部イメージ参照)。腹腔鏡手術と比べて各創部の痛みは少ないとされており、入院日数は腹腔鏡手術と変わりません。

【ロボット手術の風景】 
【腹腔鏡、ロボット手術の創部イメージ】

vNOTES

令和7年よりvNOTES(経腟的腹腔鏡手術)を開始しています。この手術は、腟からお腹の中に到達して腹腔鏡手術を行うことにより、腹部に全く創が残りません。現在は比較的小さい子宮に対する子宮全摘術を対象としております。この手術の適応があるかどうか、興味がある方はご相談下さい。

骨盤臓器脱(子宮脱)

一定の条件を満たした方は、ロボット支援下仙骨腟固定術を行っています。本術式は2020年に保険適応となって以降、全国的に普及してきています。従来法の手術法と比べて、腹部に創は出来るものの、術後の再発率が少ない、性機能を温存しやすいといったメリットがあります。

従来法の手術(腟式子宮全摘、腟壁形成術、腟閉鎖術)では、お腹に創を作らず膣からの処置で手術を完結します。ご高齢の方、糖尿病などの合併症がある方、性機能温存の必要がない方など、症例によっては従来法を選択します。当科では、この術式についてこれまで十分な実績があります。

上述のvNOTESと膣壁形成術を組み合わせて、創の残らない手術を行う場合もあります。

悪性疾患(癌)

子宮体癌、子宮頸癌、卵巣癌をはじめ、婦人科領域の悪性腫瘍に対しては各ガイドラインを遵守した上で、当院の特性を活かし、集学的治療を行っています。

~手術について~

子宮体癌

可能であれば腹腔鏡手術を選択します。早期子宮体癌に対する腹腔鏡手術は令和6年までに約70例に行っています。令和7年以降、子宮体癌に対するロボット支援下手術も開始しています。やや進行している症例では、開腹手術で骨盤~傍大動脈リンパ節郭清を含めた根治手術を行います。

子宮頸癌

当院は福井県内で唯一、子宮頸癌に対する腹腔鏡下広汎子宮全摘術が可能です。(日本産科婦人科学会、登録施設A) 患者さん個々の病状に応じて、安全に腹腔鏡手術を行えるか、開腹手術の方が安全かを選択します。腹腔鏡手術を選択した場合は、腫瘍の飛散・露出などに注意して行えば、根治性は開腹手術に劣らず、出血量も少ない傾向にあります。勿論、開腹手術と比較して術後の痛みも少なく、早期退院が可能です。

腫瘍サイズが大きいなどの理由で腹腔鏡手術の適応でない場合は、開腹手術にて広汎子宮全摘や骨盤リンパ節郭清を行っています。

卵巣癌

原則開腹手術を行います。比較的早期の場合は骨盤~傍大動脈リンパ節郭清を含む進行期決定手術を、進行例には外科、泌尿器科とも連携して腹腔内腫瘍残存ゼロを目指した腫瘍減量術を行います。進行例の中で、腫瘍が取りきれないと判断した場合は、腹腔鏡手術で腫瘍を一部生検し、診断を確定させます。その後、化学療法で腫瘍を縮小させた後に腫瘍減量術を行います。

~手術以外の癌治療~

化学療法

進行例、再発例などに化学療法を行います。当院では外来化学療法室が充実しており、通院で化学療法を行う事が可能です。初回や化学療法の種類によっては入院で行います。
また近年、従来のいわゆる抗がん剤のみならず、分子標的治療薬、免疫チェックポイント阻害剤、抗体薬物複合体など治療選択肢が増加しています。当科では最新の知見に基づき、最適な治療薬を選択しています。
標準治療の選択肢が無くなった方に対して、がん細胞の遺伝子を調べ、その特徴に応じて新たな治療薬の選択肢がないかを調べる、がん遺伝子パネル検査も当院で行っています。

放射線治療

放射線治療科と連携し、根治的照射、緩和的照射を行っています。
また、当院は北陸唯一の陽子線がん治療施設を有しています。現時点で婦人科がんへの保険適応はありませんが、先進医療として施行可能な場合があります。

実績データ

2023年 2024年 2025年
総手術件数 453 443 450
産科手術 156 148 152
婦人科手術 297 295 298

2023年 2024年 2025年
良性 195 218 211
 腹腔鏡 108 115 120
 子宮鏡 24 20 21
 ロボット 23 29 23
 vNOTES     3
 膣式子宮全摘 13 14 14

  2023年 2024年 2025年
悪性(CIN含む) 105 77 87
 開腹 42 31 34
 腹腔鏡 21 16 24
 ロボット     4
 円錐切除 40 30 25

施設認定

  • 日本産科婦人科学会専門医制度専攻医指導施設
  • 日本婦人科腫瘍学会専門医制度指定修練施設
  • 日本産科婦人科内視鏡学会認定研修施設
  • 日本産科婦人科内視鏡学会認定ロボット手術認定研修施設 
  • 日本女性医学学会認定研修施設
  • 日本周産期新生児医学会周産期専門医制度(母体、胎児専門医)基幹研修施設
  • 日本母体保護法指定施設