診療科・医療技術部門・センター Department

腎臓・膠原病内科

腎臓病、リウマチ疾患、膠原病を診療

かかりつけ医との連携、腎生検、急性期血液浄化まで幅広く対応しています。

主任医長:荒木 英雄

透析患者数は年に約5千人ずつ増加し、2020年末では約348,000人となり、全国民の約360人に1人が透析患者となっています。しばらくは増加が続くと予想されています。この背後には膨大な数の慢性腎臓病Chronic Kidney Disease (以下CKDと略します) の方が予備軍として存在しており、日本腎臓学会では約1,300万人がCKDと推定しています。

CKDは初期には軽度の血尿や蛋白尿や、血清クレアチニンの上昇で始まることが多いのですが、自覚症状は全くないことがほとんどです。

IgA腎症をはじめとした慢性糸球体腎炎、糖尿病、高血圧、膠原病など様々な疾患が原因となり、腎臓の病気が進んでいきます。早期診断と早期治療が重要です。

2016年1月より、科の名称を“腎臓内科”から“腎臓・膠原病内科”に変更しました。リウマチ・膠原病は、皮膚や肺など、様々な臓器が障害される可能性があり、内科の各専門科や、整形外科、皮膚科などと連携して診療する必要があります。各科と協力、連携し、総合病院の特性を活かしてリウマチ・膠原病の診療に取り組んでおります。地域のリウマチ・膠原病医療の核となれるよう努めています。

腎臓・膠原病内科は検尿異常から腎不全治療までの広範な腎疾患と、関節リウマチ、全身性エリテマトーデスや血管炎症候群などをはじめとする、様々な膠原病に対して、幅広く診療を行っております。

紹介・特色

診療科のご紹介

腎臓病からリウマチ・膠原病まで幅広く診療しています

かかりつけ医との連携から腎生検、腎不全診療、急性期血液浄化、膠原病・リウマチ診療まで対応しています。

腎臓・膠原病内科では、検尿異常から腎不全までの腎臓病と、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)、血管炎症候群などのリウマチ・膠原病を診療しています。

腎生検による診断、かかりつけ医と連携した慢性腎臓病(CKD)の診療、透析や腎移植などの腎代替療法の選択支援、急性期の血液浄化療法まで、院内各科と連携しながら診療しています。

診療の特色

慢性腎臓病(CKD):かかりつけ医との連携

CKDは、腎臓の働きが低下した状態や、蛋白尿などの腎障害が持続する状態をいいます。日本では成人の約5人に1人がCKDに該当すると推定されています。
CKDは初期には自覚症状がほとんどありません。健康診断などで血尿、蛋白尿、腎機能の低下を指摘されたことをきっかけに発見されることが少なくありません。
IgA腎症などの慢性糸球体腎炎、糖尿病、高血圧、膠原病など、さまざまな病気がCKDの原因となります。腎機能低下を防ぐためには、原因を明らかにし、早期から適切な治療を行うことが重要です。

また、CKDは腎不全へ進行するリスクだけでなく、心臓病や脳卒中などの心血管疾患とも関連します。当科では、地域のかかりつけ医の先生方と連携しながら診療を行っています。

血尿・蛋白尿、IgA腎症などの診療

血尿と蛋白尿が持続して認められる場合には、IgA腎症をはじめとする糸球体腎炎が隠れていることがあります。
特に蛋白尿が多い場合や腎機能低下を伴う場合には、詳しい検査が必要です。

IgA腎症は、長期的に腎機能が低下することがある一方、早期に診断し、患者さんの状態に応じて適切な治療を行うことで、尿所見の改善や腎機能低下の抑制が期待できます。
治療は、血圧管理や腎保護を目的とした薬物療法を基本として、病状に応じて副腎皮質ステロイド治療や扁桃摘出術などを検討します。

健康診断などで血尿や蛋白尿を指摘された場合には、一度詳しい評価を受けることをお勧めします。

腎臓病の診断のため、腎生検を行っています

腎生検は、腎臓の組織を少量採取し、顕微鏡で詳しく調べる検査です。

血尿・蛋白尿が持続する場合、蛋白尿が多い場合、原因不明の腎機能低下を認める場合などに、診断や治療方針を決めるため腎生検を検討します。
腎生検から得られる情報は、腎炎やネフローゼ症候群などの正確な診断、治療法の選択、今後の見通しを考えるうえで非常に重要です。

当科では安全性に十分配慮しながら腎生検を行っています。検査の必要性や方法については、事前に詳しく説明します。

多発性嚢胞腎の診断・治療を行っています

常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)は、両側の腎臓に多数の嚢胞が生じ、徐々に腎機能が低下する遺伝性腎疾患です。
画像検査や家族歴などから診断を行い、病状に応じて血圧管理などの治療を行います。また、一定の条件を満たす患者さんでは、腎機能低下を遅らせる目的でトルバプタンによる治療を検討します。

多発性嚢胞腎を指摘された方や、ご家族に同じ病気の方がいる場合などもご相談ください。

慢性腎臓病の進行予防を多職種で支援しています

腎機能が低下してきた患者さんには、腎不全の進行をできるだけ遅らせることを目標に診療を行います。
血圧や糖尿病の管理、薬物療法、食事療法などが重要です。当科では医師だけでなく、看護師、管理栄養士、薬剤師などと連携し、患者さんの病状や生活に合わせた療養支援を行っています。

腎代替療法について

腎機能が高度に低下した場合には、血液透析、腹膜透析、腎移植などの腎代替療法について、患者さんやご家族と一緒に検討します。
それぞれの治療法には特徴があり、年齢、合併症、生活環境、患者さんご本人の希望などを考慮して治療法を選択します。
血液透析が必要となる場合には、心臓血管外科などと連携して内シャントなどの準備を行います。腹膜透析についても、適応を検討したうえで導入・管理を行っています。

血液浄化療法室では、急性期を中心とした血液浄化療法を行っています

血液浄化療法室では、新たに血液透析を開始する患者さんのほか、さまざまな急性期血液浄化療法を行っています。
急性腎障害や重症患者さんに対する血液透析・持続的血液浄化療法、血漿交換療法などに対応し、救命救急センターや各診療科と連携して診療しています。

また、合併症のため一般の透析施設での治療が難しい維持透析患者さんについても受け入れています。
病状が安定した慢性期の維持透析については、地域の透析施設と連携して診療を継続しています。

小児の腎臓病についても小児科と連携しています

IgA血管炎に伴う腎炎、IgA腎症、ネフローゼ症候群、急性腎障害、慢性腎臓病などについて、小児科と連携して診療しています。必要に応じて腎生検も行っています。

小児期から成人期まで継続した診療が必要な患者さんについても、円滑に移行できるよう協力しています。

膠原病・リウマチ性疾患の診療

膠原病

膠原病は、全身性エリテマトーデス(SLE)、全身性強皮症、血管炎症候群などを含む全身性自己免疫疾患の総称です。

発熱、皮疹、関節炎、腎炎、間質性肺炎など、全身のさまざまな臓器に症状が現れます。同じ病名でも、障害される臓器や病気の活動性は患者さんごとに大きく異なります。
発症早期は診断が難しいことも多く、症状の経過、血液検査、画像検査、必要に応じて腎生検などの組織検査を組み合わせて総合的に診断します。
治療は副腎皮質ステロイドや免疫抑制薬が中心ですが、近年は病気の仕組みに直接働く薬剤も加わり、ステロイドの量を抑えながら病気をコントロールすることも可能になってきました。

関節リウマチ

関節リウマチは、手足や足趾などの関節に腫れや痛みを生じ、多くの関節に炎症が広がることがある病気です。

近年は従来の抗リウマチ薬に加えて、生物学的製剤やJAK阻害薬など治療選択肢が大きく広がり、多くの患者さんで寛解または低疾患活動性を目指すことが可能になっています。
早期に診断し、適切な治療を開始することが重要です。一方、高齢の患者さんや、感染症、肺疾患、腎疾患などを合併している患者さんでは、治療効果だけでなく安全性にも十分配慮する必要があります。

当科では患者さん一人ひとりの年齢、合併症、生活状況などを考慮して治療法を選択しています。

他科と連携した膠原病・リウマチ診療

SLEや血管炎症候群などでは、腎炎、間質性肺炎、皮膚病変、神経障害など、複数の臓器に病変を認めることがあります。
当科では総合病院の特徴を活かし、院内各診療科と連携しながら、複数の臓器に病変を有する患者さんや、合併症を伴う複雑な症例についても診療しています。

診療(手術)実績

対象疾患名

ネフローゼ症候群(微小変化群、膜性腎症など)、慢性糸球体腎炎(IgA腎症、巣状糸球体硬化症など)、急性糸球体腎炎、糖尿病性腎症、急性腎不全、慢性腎不全、多発性嚢胞腎やその他の腎疾患、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、強皮症、多発性筋炎・皮膚筋炎、ベーチェット病、高安動脈炎、顕微鏡的多発血管炎など

施設認定

  • 日本腎臓学会研修施設
  • 日本リウマチ学会認定研修施設
  • 日本透析医学会専門医制度認定施設