核医学科

核医学科の紹介・特色

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放射線治療部門とRI部門で効果的に診断・治療

放射線治療部門はX線を用いた放射線治療を、RI部門はラジオアイソトープを担当します。

 放射線治療部門

最新の連続回転強度変調放射線治療(VMAT-IMRT)を駆使し、より高い病変制御と合併症の低減を目指します。

高精度放射線治療
 平成28年度より高出力型放射線治療機器を導入し、動体追跡装置を組み合わせて早期肺癌や転移性肺腫瘍に対して高精度治療が可能となりました。現在、当院では、頭頚部癌、頸部・胸部食道癌、進行期肺癌、子宮癌をはじめとした腹部・骨盤内病変など強度変調放射線治療の適応を拡大し、これまで以上の高い病変制御と合併症の低減に取り組んでいます。

緩和的放射線治療(脳転移・骨転移など)
 早期の脳転移(1cm程度)は80-90%が制御可能となり、骨転移による疼痛に関しては20-30%程度が放射線治療で消失するというエビデンスがあるように緩和治療において放射線治療は重要な役割を占めています。しかしながら、緩和ケアの現場において放射線治療は必ずしも十分に普及していないのが現状です。当科では令和元年より緩和ケアチームと協力し当該診療科との緊密な連携を取ることで緩和照射の普及・啓蒙に取り組んでいます。また、患者さんの負担を軽減しつつ腫瘍制御を高めるために高精度治療を用いた緩和照射にも取り組みはじめました。 

実績データ

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RI検査部門

体に害のないラジオアイソトーブで、局所と全身を評価、治療を行っています。

ラジオアイソトーブを用いた診療
 当科ではラジオアイソトーブ(RI)を用いた検査、放射線治療(内照射)を行っています。検査の対象疾患は多岐にわたりますが、放射線治療の対象となるのはバセドウ病や甲状腺癌などの甲状腺疾患、前立腺がんなどによる転移性骨腫瘍、および悪性リンパ腫です。疾患によって関連する診療科と連携しながら診療を行っています。

甲状腺疾患全てに対応
画像 放射線治療の適応となるバセドウ病、分化型甲状腺癌などが主な対象疾患ですが、甲状腺疾患全般に対応が可能です。内分泌代謝科、耳鼻咽喉科、小児科などの診療科と連携して診療に当たっていますが、地域医療連携病院から当科に直接ご紹介いただくことも可能です。また、当科は県内で唯一の福島県民健康調査(甲状腺検査)実施機関(1次、2次検査)に指定されています。

すべてのRI検査、治療に対応
画像 当科の検査機器は高解像度撮像で威力を発揮する3検出器型ガンマカメラと、汎用性が高くX線CTの同時撮像が可能なSPECT-CTの2台です。また、RI治療病室を併設しており、ほぼすべてのRI検査、放射線治療に対応可能です。

最新の放射線治療機器True Beam(トゥルービーム)

画像 福井県立病院では平成28年4月より新設された放射線治療棟のリニアックとしてバリアン社のTrue Beamという最新鋭の機器を導入しました。True Beamは、「次世代型の治療機器」といわれ、3種類のX線エネルギーと4種類の電子線を発生させることができます。このためさまざまな症例に適したエネルギーを選択して治療することができ、これに加えてFFFと呼ばれる照射が可能で、従来のX線照射に比べ、半分以下の短い時間で照射ができる機能を有しています。また最先端の「画像誘導放射線治療(IGRT)」も可能になり、照射する放射線の強度を変調させ線量を腫瘍に集中させる「強度変調放射線治療(IMRT)」、さらに、体の周りを回転しながらIMRTを行うことで治療時間を著しく短縮するVMATなど、高精度の放射線治療が行えるようになりました。当院の特徴である、呼吸移動に伴う動きのあるがん病巣をより正確に照射することが可能な「動体追跡装置」は、True Beamでは第2世代に進化しました。
 我々は、新たに導入した新型の治療機器を用い、患者さんに対しより精度の高い放射線治療を確実に、安全に行うことをめざし、連日、放射線治療医、診療放射線技師、医学物理士、看護師が連携して治療に当たっています。
 

県内唯一のセラノスティクス治療機関
甲状腺疾患の包括的な診療体制を構築

標的アイソトープ治療専用病室を設置

 セラノスティクス(Theranostics)とは、治療学(Therapeutics)と診断学(Diagnostics)を組み合わせた造語であり、癌などの標的組織に親和性の高い薬剤を用い、その病巣集積を画像診断で確認しながら行う分子標的治療の総称です。核医学治療、標的アイソトープ治療がこの概念に包含されます。
 その歴史は、1941年に米国で行われたバセドウ病に対する放射性ヨウ素(RAI)治療が起源とされ、以来、バセドウ病や甲状腺癌の標準治療として確立しています。最近では新薬の開発も進み、前立腺がんや悪性リンパ腫など他の疾患にも適応が拡大しつつあります。
 当院では2004年の新築移転を契機に標的アイソトープ治療専用病室を設置し、県内唯一の治療機関として、セラノスティクスに取り組んでまいりました。

院内はもとより、他の医療機関との連携を強化

 主たる適応が甲状腺疾患であったことから、特に甲状腺に関しては初期診療から進行例に対する集学的治療まで幅広く実践し、専門病院にも引けを取らない包括的な診療体制の構築に尽力してまいりました。院内紹介はもとより、福井大学をはじめとする県内医療機関との連携を強化し、県内の患者さんがどの医療機関を受診してもセラノスティクスを選択できる環境づくりに取り組んでいます。
 地域の医療機関の先生方におかれましては、抗甲状腺剤から治療方針の変更をお考えのバセドウ病の患者さんや、術後再発予防ないしは遠隔転移の治療が必要な甲状腺がんの患者さんのRAI治療のご依頼はもとより、日常診療でしばしば遭遇する甲状腺異常の初期診療から受け賜りますので、お気軽にご紹介・ご来院いただければ幸いです。

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46歳バセドウ病
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16歳女性分化型甲状腺癌 リンパ節+肺転移
 
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分子標的治療(76歳女性 分化型甲状腺癌 頸椎転移)
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甲状腺がんに対する標的アイソトーブ治療

対象疾患名

RI検査部門

ほぼすべての検査に対応可能

脳疾患:急性脳血管障害(脳梗塞の残存正常脳機能評価も可能)、痴呆性疾患の鑑別(アルツハイマー型認知症 pagelinkの早期発見が可能)

心臓疾患:狭心性や心筋梗塞 pagelinkの機能評価が可能(残存心機能も同時に評価可能)

肺機能診断:肺梗塞の評価が可能

腎臓疾患:腎血管性高血圧や腎不全の評価が可能、移植腎機能の評価が可能

悪性腫瘍:脳腫瘍、肺癌、骨腫瘍、悪性リンパ腫の診断に有用

甲状腺疾患に対する放射性ヨード治療:甲状腺機能亢進症(バセドウ病)や甲状腺癌

放射線治療部門

ヨウ素-131を用いた甲状腺疾患(バセドウ病、甲状腺癌)の治療、ラジウム-223を用いた前立腺がん骨転移の制癌治療、イットリウム-90モノクローナル抗体を用いた悪性リンパ腫の治療

脳のラジオサージャリー(SRTまたはIMRT pagelink):原発性脳腫瘍、転移性脳腫瘍

化学放射線療法:頭頸部腫瘍、肺癌、食道癌など

動体追跡体幹部定位放射線治療 pagelink:原発性肺癌、転移性肺癌、肝臓癌、転移性肝癌

高精度放射線治療(3D-CRTやIMRT pagelink):脳腫瘍、頭頸部腫瘍、前立腺癌など

緩和治療:転移性骨腫瘍による痛みの軽減と病的骨折の防止

施設認定

放射線科専門医修練機関

医師紹介

外来担当医師表