NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)について
当院では日本医学会出生前検査認証制度等運営委員会が認証するNIPT実施医療機関(基幹施設)として、2023年6月よりNIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)を開始いたしました。
NIPTは母体血を10~20mlほど採取し、血中のcfDNA(染色体が細かく分解されたもの)を解析することによって、胎児が3つの染色体疾患(21トリソミー、18トリソミー、13トリソミー)を持つ可能性がないかをみるための検査です。NIPTは上記3つの染色体疾患以外の先天性疾患については調べる事はできません。
母体の腹部や子宮に直接針を刺して羊水や絨毛を採取し、胎児に染色体疾患がないかを調べる羊水検査・絨毛検査とは異なり、NIPTは母体の採血のみで検査を行えるため、母体や胎児への侵襲が少ない検査です。
NIPTについての詳細はこちら
- NIPTを受けて頂くには以下のような手順を踏んで進めていきます -
STEP① 遺伝カウンセリング外来の予約及び受診
NIPTを受ける前に臨床遺伝専門医もしくは日本産科婦人科遺伝診療学会認定医による遺伝カウンセリングを受けて頂く必要があります。以下のいずれかの日程で受診予約が必要です。
遺伝カウンセリング外来(2階10番受付):
月曜日 13:00~
木曜日 09:00~、10:00~
金曜日 13:00~、14:00~ それぞれ1組ずつ1時間程度。
遺伝カウンセリングを希望される際の予約方法)
・当院で妊婦検診を受けておられる方 →産婦人科外来担当医にお申し出下さい。
・当院以外で妊婦検診を受けておられる方 →かかりつけ医からの紹介状が必要です。*
*かかりつけ医からの紹介状にNIPT専用診療情報提供書(Word形式, PDF形式)を添えて、
入退院支援センターを通じてご紹介頂きます。詳細はかかりつけ医へ直接ご相談下さい。
当院を受診頂く前にNIPT説明書もご確認下さい。
注意事項:
遺伝カウンセリングは医療保険が適応されず、料金5,500円が発生します。
遺伝カウンセリングは必ずご夫婦で受けて頂く必要があります。
遺伝カウンセリングは妊娠13週6日までに受ける必要があります。
遺伝カウンセリングと同日にNIPTの採血はできません。
遺伝カウンセリング当日にNIPTの同意書をお渡しします。
妊娠14週6日までにNIPT採血ができるように採血の予約を取ります。
遺伝カウンセリング後にNIPTを受けない事にした場合はその旨を産婦人科外来まで電話連絡をお願い
します。
STEP② NIPT採血
産婦人科外来(1階5番受付)を受診頂きます。
NIPT採血当日はNIPT同意書にご夫婦のサインを記入してご持参下さい。
NIPTの費用は180,000円かかります。
NIPTは保険診療との併用はできません。
結果をお伝えするための受診予約(約2週間後)を取ります。
STEP③ 結果説明
NIPTは約2週間程度で結果が届きます。
★陰性の時:
産婦人科外来で結果をお伝えします。
★判定保留もしくは陽性の時:
再度ご夫婦で遺伝カウンセリング(費用5,500円)を受けて頂きます。
羊水検査について
NIPTは非確定的検査のため、確定診断を行うために羊水検査を施行するという選択肢があります。羊水検査では21トリソミー、18トリソミー、13トリソミー以外の染色体疾患についても調べる事ができます。
羊水検査は医療保険が適応とならず、入院処置及び染色体検査の費用として約200,000円程度かかります。母体の腹部及び子宮へ直接針を刺して羊水を採取するため、頻度は稀ですが、出血や感染、他臓器の損傷、流産に繋がる可能性があります。
当院ではNIPTの結果が陽性のみでの中絶処置は取り扱っておらず、羊水検査による確定診断が必要です。