脳神経内科
脳神経内科の紹介・特色
問診と神経学的診察の基本姿勢を大切に
3名の脳神経内科医が、時間をかけて丁寧に診療しています。
脳神経内科について
入院の80%は救命救急センターから
一次から三次までの全ての患者さんを対象とする救命救急センターを要する県立病院では、2023年度の当科入院患者の80%は救命救急センターからとなり、外来受診からの即日入院例の9%を加えると89%が緊急入院例で、急性期病院としての脳神経内科救急に積極的に取り組んでいます。多くは脳梗塞などの脳血管病変症例ですが、その他に肺炎などの感染症、多くの代謝疾患、さらに神経症状を有する診断困難例も広く当科の守備範囲となります。
神経難病の拠点病院
当院では診断や治療に必要な機器や検査システムは全て整備されており、研究室レベルあるいは論文レベルといった特殊検査は、県内あるいは全国の関連研究機関と密接に連携して速やかに実施しています。当科で担当する患者さんには、神経難病の方も多く含まれており、福井県の神経難病拠点病院として県難病支援センターや健康福祉センター、介護保険事業所や訪問看護ステーションさらには各種患者会との連携を重視して、在宅療養も支えています。
当科の伝統
「問診と診察」を基本に
主任医長 濱田 敏夫
新患には十分な診察時間を設定
当院の脳神経内科は、問診・診察を重視することを伝統としています。外来を新患と再診にわけ、新患には十分な時間がとれるようにしてきました。
問診・診察が重要であることはすべての科に共通していると思いますが、脳神経内科では特に重視されます。ご本人からの聴取だけではなく、痙攣発作の方であれば、必ず目撃者に連絡を取り、状況を確認します。また、物忘れの方が一人で受診されれば、必ずご家族同伴での受診を設定し、病歴を確認することにしています。
一通りの神経所見を見るだけでも時間がかかりますが、必要なときはさらに細かく所見を取るため、30分、1時間と時間が過ぎていくこともあります。
新たな治療法を遅滞なく導入
前述しました従来からの診療方法を大切にする一方で、新たな治療法などを遅滞なく導入するよう努めています。「脳神経内科は診断するだけで治療できない」とは昔よく言われたことですが、私の経験した30年間でも、脳神経内科の治療は大きく進歩しています。
一例をあげますと、多発性硬化症は私が医師になったころは増悪時にステロイドを投与するしか治療法がありませんでした。その後インターフェロンに始まる予防薬が次々に導入され、今は一人一人の患者さんにいかに最適な薬を選択するかが重要となっています。
また従来は多発性硬化症と診断されていた視神経脊髄炎が別疾患として分離され、抗体測定により容易に診断できるようになり、異なる治療戦略が必要であることも解明されてきました。
問診と診察という従来からの基本をもとに、最新の治療を行えるように怠りなく準備をしています。当院脳神経内科をよろしくお願い致します。
対象疾患名
脳血管障害(脳梗塞、中枢神経の血管炎等)、感染症(髄膜炎、脳炎、クロイツフェルト・ヤコブ病等)、中枢神経系変性疾患(パーキンソン病および関連疾患、脊髄小脳変性症および多系統萎縮症、筋萎縮性側索硬化症、その他)、代謝性脳障害(ミトコンドリア脳筋症、ウイルソン病、糖原病等)、多発性硬化症、末梢神経障害(ギランバレー症候群、内科疾患や栄養障害・金属や有機化合物による中毒・先天性代謝障害等に伴う末梢神経疾患)、筋疾患(筋炎、筋ジストロフィー症、先天性筋症、内科疾患に伴う筋症、筋痛症、重症筋無力症等)、てんかん及び関連疾患、各種認知症、各種慢性頭痛等
施設認定
日本神経学会准教育施設