産科・婦人科
<トピック>
2024年4月より本格的に無痛分娩を行います。
《無痛分娩についてはこちら》
2023年6月よりNIPTを開始しています。
《NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)についてはこちら》
産科・婦人科の紹介・特色
最高の妊娠分娩管理を行います
当院には、2004年福井県で初めて総合周産期母子医療センターが創設されました。各地域の診療所や病院から、ハイリスク妊娠、分娩が紹介されます。緊急の場合には福井県全域より救急車やヘリコプターにて母体搬送がなされます。不妊治療や高齢妊娠の増加などにより、多胎妊娠や妊娠高血圧症候群、前置胎盤等の産科合併妊娠、高血圧や糖尿病など内科疾患合併妊娠、各種悪性腫瘍合併などの妊娠は増加しています。当院ではこれらの妊娠分娩に対して充分な治療を行うために、母体と胎児の集中治療室(MFICU)と低出生体重児等を管理する新生児集中治療室(NICU)をそろえた独立看護単位を用意し、その対応に当たっています。
また、正常分娩となる方も多数お越しいただき、年間分娩数は500件以上となっています。助産師数は31名と県内の分娩施設では最も多く、外来での妊婦さんへの個別指導や助産師外来を通じて、産科医師とともに妊婦さんが安全な分娩が出来るように努めています。母乳の大切さについてもお母様一人ひとりと顔を向き合わせながらお話し、母乳育児に取り組んでいます。
2016 | 2017 | 2018/ | 2019 | 2020 | 2021 | |
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分娩 | 510 | 550 | 504 | 501 | 418 | 391 |
帝王切開 | 147 | 162 | 150 | 174 | 131 | 160 |
母体搬送 | 47 | 37 | 31 | 32 | 29 | 32 |
災害時の地域医療の中心を担っています
大雪、洪水、地震などの大規模災害が発生した際の、福井県の産婦人科医療の最後の砦としての役割を担っています。被災した妊婦が安全に妊娠を継続し、無事に分娩を終えるためには、被災地の妊婦情報を把握し、県の災害医療スタッフと情報交換のできる産科医師が必要です。この任を担うリエゾンと呼ばれる産科医師が当院には2名常在しています。リエゾンは、被災妊婦の通院する産科施設と密に連絡を取り、妊婦の状態を把握し、県に対し支援物資を依頼し、妊婦の搬送を計画します。大規模災害時には、福井県立病院産婦人科が、福井県の妊婦の安心安全を実現します。
福井県の婦人科がんを治療しています
日本における婦人科がんの罹患数は、子宮体がん、卵巣がん、子宮頸がんの順に、年間16000、13000、11000前後であり、全て増加傾向にあります。福井県立病院では、婦人科腫瘍専門医、がん治療認定医、内視鏡技術認定医、臨床遺伝専門医が、診療科の垣根を越えて、がん治療に取り組んでいます。卵巣がんの薬物治療は日進月歩であり、治療効果の高い分子標的薬が使用可能となっています。手術難易度の高い大きな子宮頸がんに対し、術前動注化学療法を実施、腫瘍の縮小後に、広汎に子宮を摘出します。がんの局所進行や転移があり標準治療が終了した方に対し、がん遺伝子パネル検査が用意されました。新たな薬物治療を模索することが可能です。
早期子宮体がんを腹腔鏡下にて摘出しています
2014年4月から、子宮体癌に対する腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術が、保険診療で認められました。大きくお腹を開けずとも、開腹手術と同様の治療効果が確認されており、患者さんにとって大きな福音と言えるでしょう。しかしこの手術は、全ての産婦人科施設で受けられる訳ではありません。手術を完遂できる技術と経験をもつ医師チームによって治療が安全に行われるようにするため、厳格な審査が行われ、施設認定がなされています。福井県立病院産婦人科は2015年5月施設認定を受けました。2021年5月時点で47人の患者さんがこの腹腔鏡下手術を受けています。
良性腫瘍に単孔式腹腔鏡下手術を導入しています
腹腔鏡下手術には、臍から手術を行う、単孔式という手術法があります。切開が臍に重なりますので、傷が目立ちにくく、開腹手術、通常の多孔式腹腔鏡手術と比べて、美容的に優れた方法といえます。他方、単孔式手術では、内視鏡、鉗子挿入を臍部1カ所より全て行う必要があり、技術的難易度が高まります。当院では2014年4月より、卵巣腫瘍、卵管妊娠等、技術的に比較的簡単なケースに単孔式腹腔鏡手術を導入しました。
傷のないお腹は患者さんに大変好評です。
子宮筋腫はできる限り内視鏡を用いて治療しています
子宮筋腫を手術によって治療する場合、子宮全体を摘出する方法と筋腫のみを摘出する方法があります。いずれの場合にも、腹腔鏡や子宮鏡を用いた内視鏡下手術を積極的に行っています。筋腫の大きさ、発生部位、個数など、条件によっては内視鏡下手術が困難なケースがありますが、術前に薬物治療を行い筋腫の縮小を図るなど、できるだけ内視鏡下に手術を行なえるように工夫をしています。
対象疾患名
産科対象疾患
妊娠悪阻、切迫流早産、流産、早産、子宮内胎児発育不全、妊娠高血圧症候群、常位胎盤早期剥離、前置胎盤、多胎妊娠、血液型不適合妊娠、各種胎児奇形、子宮筋腫、子宮頸癌など婦人科疾患合併妊娠、高血圧・糖尿病など内科系疾患合併妊娠、虫垂炎など外科系疾患合併妊娠、微弱陣痛、後方後頭位などの回旋異常 骨盤位などの胎位異常、前期破水、弛緩出血、産道裂傷、DICなどの産科ショック、HELLP症候群、子宮復古不全、乳腺炎、マタニティーブルーズ等。
婦人科対象疾患
バルトリン腺嚢胞・膿瘍、ベーチェット病、外陰ヘルペス、尖圭コンジローマ、外陰癌、腟欠損症、腟中隔、腟癌、子宮奇形、子宮頸癌、子宮体癌、子宮肉腫、子宮筋腫、子宮内膜症、絨毛性疾患、卵管癌、子宮外妊娠(異所性妊娠)、卵巣良性腫瘍、卵巣悪性腫瘍、卵巣出血、卵巣機能不全、骨盤腹膜炎、無月経を始めとした月経異常、高プロラクチン血症、月経前症候群、更年期障害、淋病、クラミジア感染をはじめとした性行為感染症、不妊症、不育症等。
医師紹介
外来担当医師表
施設認定
日本産科婦人科学会専門医制度専攻医指導施設
日本周産期・新生児医学会周産期専門医制度(母体、胎児専門医)基幹研修施設
日本婦人科腫瘍学会専門医制度指定修練施設
日本母体保護法指定施設
日本産科婦人科内視鏡学会認定研修施設
日本女性医学学会認定研修施設