福井県立病院陽子線がん治療センターでは、変形しやすい乳房を固定して病巣部に陽子線を精度よく照射する技術を開発しました。その技術を生かし、陽子線による早期乳がん治療の臨床試験を行っています。
※「陽子線による乳がん治療:第Ⅰ/Ⅱ相試験」(UMIN000016206)
適応条件
臨床試験に参加される患者さんは、次の「参加していただける患者さんの条件」をすべて満たし、「参加していただけない患者さんの条件」に一つも当てはまらないことが求められます。
臨床試験への参加の可否は、各種検査の結果に基づき、当院の乳腺外科医師および陽子線がん治療担当医師が判断します。
治療方法
患者さんは乳房を固定するための固定用下着を着用し、治療寝台(乳房専用治療台)にうつ伏せに寝てもらいます。このとき、患者さんの乳房は自然に下垂している状態になります。この状態で、当センターに整備されている「CT位置決め装置」によって、乳房内部の病巣部の位置を毎日確実に確認し、多方向から陽子線を病巣部に精度よく照射していきます。
1回あたりの治療時間は30分~1時間程度です。治療回数は10回で、土・日曜日を除く2週間、毎日通院して陽子線の照射を受けていただきます。
(陽子線照射の様子) | (陽子線治療装置とCT位置決め装置) |