治療の一般的条件
- 治療中(20分から30分程度)は、治療時の姿勢(仰向け等)を保持できること。
- 治療を希望されるご本人が、病名や症状を告知されており、陽子線治療についてご理解いただいたうえで、治療を受けることに同意されていること。
- 陽子線治療を予定している部分に、これまで放射線が照射されていないこと。
- 陽子線治療を実施するうえで適切でないと判断される疾患を合併していないこと。
受診までの手順
【1】かかりつけ医療機関の主治医と、陽子線治療以外の治療法も含めて、よくご相談ください。
【2】かかりつけ医療機関にて、陽子線治療の適応判断に必要な検査を受けていただきます。
かかりつけ医療機関で実施することができない検査がある場合は、福井県立病院でその検査を受けていただくこともできます。
【3】かかりつけ医療機関の主治医より、当センターあてに、チェックシート を送っていただきます。
治療基準をすべて満たしている場合には、【3】【4】を省略することもできます(ご予約は、かかりつけ医療機関を通してお取り下さい)。
【4】折り返し、当センターからかかりつけ医療機関の主治医あてに、陽子線治療の可否、診察予約日時等を返信しますので、主治医にご確認ください。
陽子線治療の適応がないと判定された場合でも、当センターの医師から、直接、陽子線治療について説明することができます。その場合、原則として「セカンドオピニオン」として対応いたしますので、主治医を通じてその旨をお伝えください。
【5】診察の予約日時に、保険証、紹介状、検査結果、画像検査データ等をご持参のうえ、当センターを受診してください。
【6】診察の結果、陽子線治療の対象になると最終判断された場合は、治療開始までの諸手続や準備を行います。詳しくは、「陽子線治療の手順」をご覧ください。
受診時にご用意いただくもの
1、2をご持参いただき、当日陽子線がん治療センター1階受付にご提出ください。
1 紹介元の医療機関にご用意いただくもの
- 主治医からの紹介状(診療情報提供書)
- 画像診断のデータ(CT、MRI、レントゲンなど)
- 組織標本(診療情報提供書に記載がある場合は不要です)
- 各種検査結果(診療情報提供書に記載がある場合は不要です)
2 患者様自身でご用意いただくもの
- 保険証
- 高齢受給者証(お持ちの方)
- お薬手帳
セカンドオピニオン
陽子線がん治療専門医の立場から、陽子線がん治療の内容、陽子線治療とそれ以外の治療法との治療成績、副作用等についてお話しします。
主治医にセカンドオピニオンを受けたい旨をお伝えいただき、通院中の医療機関を通してご予約ください。
ご用意いただくもの
- セカンドオピニオン 診療情報提供書
- 画像診断のデータ(CT、MRI、レントゲンなど)
- 各種検査結果
- (ご家族のみの場合)患者さんの同意書(書式は自由です)
セカンドオピニオン費用(1回につき)
30分まで | 10,000円(税抜) |
30分を超えるとき | 15,000円(税抜) |
他院での外来
福井大学医学部附属病院の陽子線外来
福井大学医学部附属病院に通院中の方は、陽子線治療の適否について同院で診察を受けられますので、主治医にご相談ください。
<外来診察日>毎週月曜日 午前(※予約制)
<場所>福井大学医学部附属病院 1階 先端医療画像センター診察室
<お問い合わせ>福井大学附属病院医療サービス課 0776-61-3111
敦賀外来
嶺南地域にお住まいの方が陽子線治療の適否についての診察等を受けられるよう、敦賀市内で外来診察を行っております。
○市立敦賀病院
<外来診察日>毎週金曜日 午後(※予約制)
<お問い合わせ>0770-22-3611
○国立病院機構敦賀医療センター
<外来診察日>毎月第2・第4金曜日 午後(※予約制)
<お問い合わせ>0770-25-1600
陽子線治療の手順
陽子線治療が決まったら、固定具の作成やCT・MRI撮影など、治療の準備を行います。
治療の準備には2日間を要することがあり、遠方からお越しの患者さんは病院の近くにご宿泊いただく必要があります(宿泊施設のご案内 )。
その後、治療計画の作成などを行い、治療決定から10~14日程度で治療開始となります。
陽子線の照射回数
治療期間中は、月曜日から金曜日まで週5日間、毎日通院して陽子線の照射を受けます。
陽子線の照射回数は、がんの種類、大きさ、病状等に応じて、医学的に決められます。
詳しくは、疾患ごとのページをご覧ください。
治療費について
公的医療保険診療
公的医療保険の対象となる疾患
- 小児がん(限局性の固形悪性腫瘍に限る)
- 骨軟部腫瘍(手術による根治的な治療が困難な限局性のもの)
- 頭頸部悪性腫瘍(口腔・咽喉頭の扁平上皮がんを除く)
- 前立腺がん(限局性および局所進行性のもので、転移を有するものを除く)
- 肝細胞がん(長径4cm以上で、手術による根治的な治療が困難な限局性のもの)
- 肝内胆管がん(手術による根治的な治療が困難なもの)
- 局所進行性膵がん(手術による根治的な治療が困難なもの)
- 局所大腸がん(手術後に再発したもので、手術による根治的な治療が困難なもの)
- 通常の医療費と同様に、自己負担割合に応じて1~3割の負担となります。
- 治療費は先払いとなります。1回目の治療終了後に窓口でお支払いください。
- 高額療養費制度が適用されます。
あらかじめ「限度額認定証」の交付を受けることにより、窓口での支払いを一定額のとどめることができます。詳しくはご加入の健康保険組合、お住いの市町村の健康保険担当窓口にお問い合わせください。
(参考)厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」
先進医療
公的医療保険の対象とならない疾患は、「先進医療」としての治療になります。
当センターでの陽子線治療は2011年6月に「先進医療」として認定されており、日本放射線腫瘍学会が定めた適応症と疾患別統一治療方針に基づいた治療を行っています。
※詳しくは日本放射線腫瘍学会のホームページをご覧ください。
治療費
- 治療費は、陽子線の照射回数により異なります。
- 治療費は先払いとなります。1回目の治療終了後に「納入通知書」を発行しますので、10日以内にお支払いください。
- 民間保険の先進医療特約の対象となっていますので、ご加入の保険会社にご相談ください。
陽子線を照射する回数 | 治療費 |
~20回 | 240万円 |
21~25回 | 250万円 |
26回~ | 260万円 |
優遇制度
福井県では、患者さんの経済的負担を軽くし、治療を受けやすくするため、次の優遇制度を設けています。
詳細は、当センターまでお問い合わせください。
1.治療費の減免(先進医療の方のみ)
対象 | 福井県内に1年以上お住まいの方 |
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内容 | 陽子線治療費(240万円~260万円)について、1治療あたり25万円を減免 ※民間保険の先進医療特約を利用される方は対象外となります |
2.嶺南地域・石川県・富山県にお住まいの方に対する通院交通費の助成
対象 | 嶺南地域(敦賀市、小浜市、美浜町、高浜町、おおい町、若狭町)、石川県(加賀市を除く)、富山県にお住まいの方 |
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内容 | 陽子線治療を受ける際に、通院1回あたり3,000円を助成 ※入院治療の場合は対象外となります |
3.治療資金を借り入れた方に対する利子補給(先進医療の方のみ)
対象 | 福井県内に1年以上お住まいの方で、課税総所得が600万円以下の世帯に属する方 |
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対象金額 | 金融機関からの借入額235万円以内(陽子線治療費相当額以内) |
対象利率限度 | 年利率6%以内 利子補給率 ・所得税非課税世帯 10/10 ・課税総所得600万円以下の世帯 1/2 |
利子補給期間 | 第1回利子支払日から5年以内 |