脳・脊髄腫瘍

脳・脊髄腫瘍の特徴

 脳腫瘍は頭蓋内で発生する原発性脳腫瘍と、ほかの臓器からの転移によってできる転移性腫瘍とに分けられます。原発性脳腫瘍の中で多くの疾患が陽子線治療の適応となります。

脳・脊髄腫瘍の治療法

 主に手術、放射線療法、化学療法の3つで、適宜組み合わせて治療が行われます(術後放射線療法、化学療法と放射線療法の同時併用、術中に抗腫瘍剤を脳内留置など)。放射線療法は通常X線で行われますが、この部分を陽子線治療に置き換えることができます。

脳・脊髄腫瘍の陽子線治療

陽子線治療の適応

・神経膠腫 ・膠芽腫 ・胚細胞腫瘍 ・髄膜腫
・下垂体腫瘍 ・頭蓋咽頭腫 ・髄芽腫 ・上衣腫

 陽子線治療の適応となる主なものとして上記の疾患がありますが、その他の稀な疾患でも陽子線治療の適応となる場合があります。
 神経膠腫など悪性の腫瘍の場合は、手術でできる限り摘出したあとに陽子線治療を行うことで、より良い効果が期待できます。さらに化学療法を併用する場合もあります。
 良性の腫瘍では、手術による腫瘍摘出が困難であったり、術後に再発してしまった場合に適応となります。
 転移性脳腫瘍はX線やガンマナイフなど他の放射線治療が可能なため、陽子線治療は行っていません。

照射回数・治療期間

 通常、25~33回、5~7週間で治療を行います。照射回数は、がん病巣の大きさ、位置、全身状態など、様々な要素を考慮して、適切な回数を医学的に決定します。 

治療費

 脳・脊髄腫瘍の陽子線治療は「先進医療」となっています。
 民間保険の先進医療特約の対象となりますので、ご加入の保険会社にご相談ください。

陽子線治療に伴う有害事象(副作用)

 照射(治療)を行う部位により起こる副作用が異なります。
 治療中に起こる副作用としては、皮膚炎や脱毛、陽子線により脳がむくんで腫れることによる頭痛や吐き気などがありますが、症状緩和の対応をしながら治療を続けます。
 陽子線治療は外来で可能ですが、脳への治療は注意深く行う必要があり、副作用が出た場合は入院いただくこともあります。
 また、治療期間中は車の運転をお控えいただきます。

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