小児がん

小児がん(小児腫瘍)の特徴

 小児は組織感受性が高いため、放射線治療や抗がん剤、手術に良い反応を示す場合があります。しかし一方では、小児がんに対し行われた治療が思わぬ副作用を誘発し、この副作用のため将来、長きにわたり患者さんが苦しむ場合もあります。このため、がんを治すのみならず、将来の発育や知能等を考慮した治療法の選択が重要と考えられています。

小児がん(小児腫瘍)の治療法

 小児がんの治療として一般に行われているX線を用いた放射線治療では、腫瘍細胞だけでなく病変周囲の正常組織にも影響を及ぼします。また、放射線が照射された部位から新しくがんが発生する場合もあり、治療後に長い人生が待っている小児では、放射線治療により正常な体の発育と知能の発達を妨げにないことが重要と考えられています。
 陽子線治療では、X線治療に比べエネルギーのピークをがん病巣に合わせることができるため、周囲の正常組織への障害を少なくし、身体の機能や形状が損なわれることを抑えられると考えられています。
 このため、小児がんで放射線治療が必要な場合には、まず陽子線治療ができるかどうかを考えるべきです。

CT  照射

 CTスキャンを活用して正確に照射位置を決めています               台に乗ったまま陽子線を照射します

小児がん(小児腫瘍)の陽子線治療

陽子線治療の適応

 発病時に20歳未満の方であれば対象になります。脳腫瘍(脳幹部星細胞腫、胚細胞腫瘍、上衣腫な ど)を はじめ、神経芽腫や横紋筋肉腫など小児に 比較的多いとされる腫瘍を中心に、その他 の稀な小児腫瘍についても対応し ています。

陽子線ビーム  冊子

治療室の壁面やで小児向けに陽子線治療のイメージを伝えています

照射回数・治療期間

 疾患・治療を行う部位によって異なりますので、ご相談ください。

何回目表示  シール

小児患者が楽しみながら治療を受けられるよう、治療室の内装や患者向けパンフレットに工夫が凝らされています。

福井大学医学部附属病院等との連携

 小児がん(小児腫瘍)の陽子線治療にあたっては、当院の小児科の専門医に加え、福井大学医学部附属病院の小児科(血液・腫瘍部門)の専門医と陽子線がん治療センターの専門医が密接な連携体制をとり、全症例において合同のカンファレンス(キャンサーボード)を開いて適切な治療方法の検討を行っています。

 小児がん(小児腫瘍)に対する陽子線治療体制

治療費

 小児がん(小児腫瘍)の陽子線治療は、公的医療保険の対象となります。

陽子線治療に伴う有害事象(副作用)

 疾患・治療を行う部位によって異なりますので、ご相談ください。

治療室のご案内

 小児患者の治療への抵抗感を減らすため、治療室は明るく楽しげな雰囲気となっています。

入口  治療室

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