転移性腫瘍

転移性腫瘍の特徴

 がんは、状態によって「局所にとどまるがん」「全身に広がろうとしているがん」「全身に広がり、転移があるがん」に分けることができますが、多くのがんでは、進行するとリンパ節、肺、肝臓、骨、脳などに転移を生じます。

転移性腫瘍の治療法

 がんが全身に広がっている場合(転移がある場合)には、全身的に治療を行う「全身治療法」として抗がん剤や免疫治療が行われます。この治療では投与薬剤が全身に回るため、がんがいくつあっても同時に治療ができますが、有害事象(副作用)も全身的に出てしまいます。
 また、これらの治療は何回かセットにして行われますが、一部の転移病巣のみが残存する場合があります。このような場合には、陽子線治療で残存がん病巣(転移巣)を打ち抜くことが可能なことがあります。
 十分な全身治療(抗がん剤治療など)を行った後に、CTやMRI、PET検査等で再評価し、3個以下の転移巣が残存する場合は、少数転移巣(オリゴメタスターシス)として陽子線治療の適応となることがあります。

転移性腫瘍の陽子線治療

陽子線治療の適応

以下の条件を満たす場合に適応となります。

  1. 病理学的に診断された、もしくは臨床的に明確な転移性腫瘍であること。
  2. 陽子線照射の対象となる転移性腫瘍は、原則として3か所以内であること。
  3. 原病巣が切除などの治療によりコントロールされていること。

照射回数・治療期間

 短い場合には、8回(2週間)で治療を行います。
 消化管など放射線に弱い臓器が近傍にある場合には、安全性を考慮し22~35回(5~7週間)で治療を行います。

治療費

 転移性腫瘍の陽子線治療は「先進医療」となっています。
 民間保険の先進医療特約の対象となりますので、ご加入の保険会社にご相談ください。

陽子線治療に伴う有害事象(副作用) 

 陽子線治療に伴う副作用は軽微ですが、抗がん剤を多量に使われた患者さんが多いため、抗がん剤の副作用が目立つ場合があります。

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