肝内胆管がんの特徴
胆管がんは、胆道にできるがんの総称です。発生した部位によって大きく「肝内胆管がん」と「肝外胆管がん」に分かれます。
肝内胆管がんは、肝臓内の胆道にできるがんですが、同じく肝臓のなかにできる肝細胞がんとは区別されます。
肝内胆管がんの治療法
肝内胆管がんの治療方法は手術、化学療法、放射線治療などがありますが、どの治療法が最善かは病気の進み具合や患者さんの状態によって決定していきます。
陽子線治療は、体の外から陽子線をがんのある部位に集中して照射する治療法で、化学療法と併用して行うこともあります。陽子線治療では、胆道の周りにある肝臓や消化管、腎臓などの重要な臓器への負担を減らしながらの治療が可能です。
肝内胆管がんの陽子線治療
陽子線治療の適応
以下の条件を満たす場合に適応となります。
- 病理学的に、もしくは臨床的に診断された肝内胆管がんであること。
- 手術非適応、もしくは再発性の病変であること。
- 実質臓器への転移(遠隔転移)や遠隔リンパ節転移がないこと(ただし、胆道周囲のリンパ節のみに転移がある場合には、治療適応となる場合があります)。
照射回数・治療期間
通常、20~38回、5~8週間程度で治療を行います。照射回数は、がんの位置、病変の大きさ、全身状態など様々な要素を考慮し、適切な回数を医学的に決定します。
また、3~4時間の絶食も必要となります。
肝内胆管がんのできる領域は呼吸によって動くため、呼吸の一定のタイミング(息を吐いて、次に吸い始めるまでの期間)を狙って陽子線を照射する「呼吸同期照射」を行います。
治療費
・肝内胆管がんの陽子線治療は、公的医療保険の対象となります。
※ただし、手術による根治的な治療が困難なものに限る
・なお、その他の胆道がんの陽子線治療は「先進医療」となっています。
民間保険の先進医療特約の対象となりますので、ご加入の保険会社にご相談ください。
陽子線治療に伴う有害事象(副作用)
照射部位の日焼けのような変化、倦怠感が起こることがあります。照射範囲に含んだ部位に応じて、肝機能低下、腎機能低下、消化管出血、消化管穿孔や肋骨骨折、放射線肺炎など様々な副作用が出てくることがありますので、各専門医師と連携して注意深く対応しています。