-令和元年度 病院指標

医療法における病院等の広告規制について(厚生労働省)

 この病院情報(7つの指標)の公表については、平成28年度から、全国のDPC対象病院で開始されました。DPC(診断群分類)では、どんなご病気で入院し、どんな手術や処置を受けるかにより、全国共通のコードで分類しています。
次の7つの指標は、昨年度の当院の診療実績について、全国共通のルール(下記の集計条件)に沿って集計しました。
<集計条件>
・平成31年4月1日から令和2年3月31日までの退院患者さんの診療実績です。ただし、入院後24時間以内あるいは生後7日以内に死亡された患者さんや、臓器移植を受けた患者さん等については、集計に含めておりません。
・10件未満の場合は、件数ではなく「-(ハイフン)」で表示しています。

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
患者さん用パスとは?
治療や検査の標準的な経過など、入院中の予定をスケジュール表にまとめた患者さん用の入院診療計画書です。

指標1 年齢階級別退院患者数【ファイルをダウンロード】

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 937 325 400 696 868 1182 2500 3525 2424 613



年齢階級別退院患者数

 当院は、三次救急医療を担う救命救急センター、県がん診療連携拠点病院として先進的ながん治療を行うがん医療センターや陽子線がん治療センター、急性期中心のこころの医療センターなど、県全域をカバーする基幹病院として高度な医療を提供しており、新生児から高齢者まで幅広い年齢層の患者さんの診療を行っています。
 特に、0歳代の患者さんが多くなっている理由は、リスクの高い出産や低体重で生まれてくる赤ちゃんの治療を行う総合周産期母子医療センターがあるためです。
 高齢化により、脳や心臓の血管の病気やがんの患者さん、呼吸器の患者さんが多く、60歳以上の患者さんが全体の6割以上を占めています。

指標2 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)【ファイルをダウンロード】


一般内科
 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
170020xxxxxx0x 精神作用物質使用による精神および行動の障害定義副傷病なし 26 1.42 2.84 0.00% 33.81
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒)手術・処置等2なし定義副傷病なし 23 2.04 3.52 4.35% 50.35 パス
080270xxxx0xxx 食物アレルギー手術・処置等1なし 12 1.58 2.48 0.00% 46.92
161060xx99x0xx 詳細不明の損傷等手術なし手術・処置等2なし - - 3.29 - -
161020xxxxx00x 体温異常手術・処置等2なし定義副傷病なし - - 5.83 - -

 救命救急センターはER方式(北米型救急)を採用し、軽症から重症の患者さんまで診療しています。生命にかかわる重大疾患の疑いのある方を最優先して診療するために、来院された患者さんにはトリアージを行い、診療の順番を決めさせていただいています(そのため、軽症の患者さんにはお待ちいただく場合があります)。初期治療の後で入院が必要となった場合は専門科医師に連絡し入院加療を行います。精神作用物質(睡眠剤など)・薬物(アルコールなど)の過量服用時の意識障害、食物、薬物、蜂刺されなどによりアレルギー反応が激しく起こるアナフィラキシー、そして、明らかな骨折はなくても疼痛の著明な外傷などの患者さんに対しては救急医が主治医となり短期の入院加療を行うことがあります。多くの患者さんは2-3日の入院加療で退院されますが、病状の経過によってはより長く入院を要したり、あるいは、人工呼吸・血液浄化療法などの高度な治療が必要となる患者さんに対しては集中治療室(ICU)で加療します。このような重症の長期入院の患者さんには専門科医師が継続して治療を行うことになっています。
 今年は新型コロナ感染症対策で院内へ入る場合には検温を実施しております。付き添いの方にも検温をお願いしておりますが、安心・安全のためご協力をお願いいたします。


消化器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術定義副傷病なし 462 2.07 2.63 0.00% 65.75 パス
060020xx04x0xx 胃の悪性腫瘍内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術手術・処置等2なし 123 8.54 8.27 0.00% 73.34 パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎限局性腹腔膿瘍手術等手術・処置等2なし定義副傷病なし 96 9.32 9.79 3.13% 76.73 パス
060102xx99xxxx 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患手術なし 58 7.72 7.65 0.00% 59.28 パス
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞手術なし手術・処置等1なし手術・処置等2なし定義副傷病なし 57 7.79 8.89 3.51% 67.84

 当科で令和元年度に最も多く施行された治療は内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術です。最近では大腸内視鏡検査の普及に伴い、大腸ポリープや大腸腫瘍性病変が多く発見されるようになったことに加え、食生活の欧米化に伴い大腸腫瘍性疾患の患者さんが増加していると言われています。これらの病変に対する治療としての内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術を受ける患者さんが多くなっています。早期発見、早期治療により進行大腸癌の予防ができることから、今後も増加していく治療であると思われます。
 次いで患者さんが多い治療は胃腫瘍性病変の治療です。内視鏡的早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術という治療で、粘膜の下にある粘膜下層を電気メスで剥離する方法です。外科手術に比べて生活への影響が少ないことや、高齢の方が増加していることもあり、この治療を受ける患者さんのニーズは今後も続いていくものと思われます。当院では内視鏡治療技術が全体的に安定しており、現在では全国平均より短期間の入院になっています。
 次に多く行われた治療は胆管内の結石や胆管腫瘍が胆管を閉塞することで起こる胆管炎や黄疸の治療です。胆管炎や黄疸の原因が良性疾患であっても致命的な状態に陥ることがあるため、ほとんどの患者さんに緊急入院して治療を受けて頂いています。内視鏡的胆道ステント留置術などの内視鏡手術も緊急で受ける患者さんが少なくありません。術後も治療が必要な胆管炎や黄疸ですが、患者さんに早く元気になって頂き、入院期間が全国平均よりも短くなるように努力しています。
 4番目に多い患者さんは、大腸にできた袋状の突出部(憩室)に発生した炎症(憩室炎)の治療を受ける患者さんです。大腸憩室はかなりの頻度で見られ、症状を反復する患者さんもいるため、その数が多くなっていますが、早期退院ができるようにパスを導入しています。
 5番目に多い患者さんは、腸閉塞という腸の内容物が流れなくなってしまうことで入院された患者さんです。多くは胃癌や大腸癌そして婦人科疾患など手術した後におこる癒着性の腸閉塞であることが多く、今後も増加することが予想されます。そのため、当科では短い入院期間で元気になって退院して頂けるよう、早期にイレウスチューブを挿入し病状の改善を図っています。またこの様な治療で病状の改善が期待できない場合に速やかに外科的治療に移行できるよう、外科医との情報伝達も良好に行われております。


呼吸器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺がんの検査 131 2.30 3.34 0.00% 69.49 パス
040040xx99040x 肺がんの薬物療法 95 8.59 9.59 0.00% 71.63 パス
040040xx99090x 肺がんの免疫治療を含んだ薬物療法 92 10.51 10.20 0.00% 69.45
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎の治療 84 15.15 20.84 27.38% 82.27 パス
040110xxxxx0xx 間質性肺炎の診断・治療 77 17.16 18.84 7.79% 71.78

 呼吸器内科では肺がん検査と薬物治療の患者さんが最も多くなっています。EGFRチロシンキナーゼ阻害薬や免疫チェックポイント阻害薬などの新しい抗がん剤治療を積極的に使用しています。さらに、陽子線治療等の最新の放射線治療装置を使っての放射線療法も行っており、幅広い治療法を選択できることが当科の強みです。そのためには肺がんの診断を迅速に正確に行うことが最重要と考え、主な肺がん検査の気管支鏡検査を1泊2日入院で安全に行っています。
 次に、難病である間質性肺炎の診療が多く、高齢化を反映して誤嚥性肺炎の患者さんも増えてきています。


循環器内科 脳心臓血管センター

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患経皮的冠動脈形成術等手術・処置等1なし、1,2あり手術・処置等2なし定義副傷病なし 169 4.69 4.40 0.00% 69.28 パス
050130xx99000x 心不全手術なし手術・処置等1なし手術・処置等2なし定義副傷病なし 122 17.61 17.71 13.93% 81.05 パス
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患手術なし手術・処置等11あり手術・処置等2なし定義副傷病なし 112 3.15 3.01 0.00% 68.13 パス
050050xx99200x 狭心症、慢性虚血性心疾患手術なし手術・処置等12あり手術・処置等2なし定義副傷病なし 70 3.37 3.15 0.00% 70.69 パス
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患動脈塞栓除去術その他のもの(観血的なもの)等手術・処置等1なし、1あり手術・処置等2なし定義副傷病なし 55 4.35 5.34 1.82% 70.67 パス

 循環器内科では、狭心症に対しての心臓カテーテル治療(経皮的冠動脈形成術・ステント留置術)やカテーテル治療前後の心臓カテーテル検査で入院される患者さんが多い状況です。当院では、一次から三次までの救急患者さんを担当しており、当院へ緊急搬送された急性心筋梗塞の患者さんに対しても、昼夜を問わず緊急心臓カテーテル治療を行っています。
 また、高齢社会をむかえ、平均年齢も80歳を超えた後期高齢者の患者さんが益々多くなっている中で、心不全悪化による緊急入院の患者さんが増加しています。患者さんのQOLを落とさないために出来るだけ在宅での治療が出来るよう、連携パスを利用して、患者さん、患者さんの家族とスタッフが話し合いながらより良い入院治療に努めています。



腎臓・膠原病内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全手術なし手術・処置等1なし手術・処置等2なし定義副傷病なし 49 9.37 11.67 2.04% 58.31
070560xx99x00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患手術なし手術・処置等2なし定義副傷病なし 41 21.54 15.48 4.88% 63.15
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎手術なし手術・処置等2なし定義副傷病なし 23 24.39 20.84 30.43% 84.52 パス
050130xx99000x 心不全手術なし手術・処置等1なし手術・処置等2なし定義副傷病なし 21 13.10 17.71 0.00% 78.33 パス
110280xx99010x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全手術なし手術・処置等1なし手術・処置等21あり定義副傷病なし 20 23.75 14.23 15.00% 73.95

 最も多い傷病名の分類は、慢性腎炎症候群、慢性間質性腎炎、慢性腎不全です。この分類には、慢性腎不全の進行が速いために精査と加療を行う患者さんや、脱水症など合併症の治療で入院の患者さん、IgA腎症のステロイドパルス療法の患者さん、腎臓病の学習目的に入院する患者さんなど、非常に幅広い腎臓病の患者さんが含まれています。自覚症状が乏しいこともある腎臓病ですが、治療によって腎炎の寛解(血尿や蛋白尿の消失)や腎機能の改善、腎不全の進行が遅くなることを目指しています。
 2番目の重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫性疾患とは、関節リウマチや、全身性エリテマトーデス、多発性筋炎、皮膚筋炎、リウマチ性多発筋痛症など膠原病であり、これらの疾患を発症したとき、病状のコントロールが悪くなったとき、あるいは合併症が発生したときの入院です。リウマチ・膠原病診療の進歩は特に著しく、最も多い関節リウマチは寛解(症状が軽くなったり消えたりすること)することが多くなりました。膠原病には肺疾患、循環器疾患、皮膚疾患など多くの合併症があり、総合病院の特徴を活かして他の部門の専門医と連携することで、注意深く診療を行っています。
 3番目に多い患者さんは誤嚥性肺炎で、高齢化に伴い嚥下がうまくいかず、肺炎をきたして入院となる患者さんが多くなっています。
 4番目は心不全にて、利尿剤など薬物療法の導入や食事療法を行った患者さんの分類です。慢性腎臓病(CKD)に心不全を合併することが多く、近年高齢化と共に、心不全の入院が多くなっています。
 5番目は、主として維持透析患者さんの、肺炎などの合併症による入院治療です。


内分泌・代謝内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100071xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。)手術なし手術・処置等21あり定義副傷病なし85歳未満 44 12.77 14.10 0.00% 63.07
100070xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。)手術なし手術・処置等21あり定義副傷病なし85歳未満 42 11.69 13.72 0.00% 61.57
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症手術なし定義副傷病なし 19 12.79 12.58 10.53% 74.53 パス
100071xx99x110 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。)手術なし手術・処置等21あり定義副傷病あり85歳未満 15 14.93 14.74 0.00% 68.20
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎手術なし手術・処置等2なし定義副傷病なし 11 19.09 20.84 36.36% 85.00 パス

 最も多い入院患者さんは、血糖値を良くするために入院された2型糖尿病の患者さんです。血糖値をコントロールしながら合併症の検査も行うため、動脈硬化がみつかる患者さんも多いです。インスリン治療で血糖値が安定した後、飲み薬だけになる患者さんもたくさんいます。最適の治療方法が決まって病状が安定し退院となった際には、近くのクリニックに通院して頂くようにお願いしています。治療のかたわら、患者さんに糖尿病の知識をたくさん学んで頂けるよう、複数の医療スタッフが支援させて頂いています。
 当院には、糖尿病教育入院があり、血糖コントロールや合併症の検査だけでなく、医師、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士、検査技師等がチーム医療を行い、患者さんとともに、患者さんの生活に適した治療を考えるようにしています。誤嚥性肺炎や尿路感染症といった内科救急疾患で入院される患者さんを当科で担当することもあります。


血液・腫瘍内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x40x 非ホジキンリンパ腫手術なし手術・処置等24あり定義副傷病なし 78 16.49 15.79 1.28% 74.38 パス
130060xx97x40x 骨髄異形成症候群手術あり手術・処置等24あり定義副傷病なし 63 15.63 20.30 0.00% 72.60 パス
130060xx99x4xx 骨髄異形成症候群手術なし手術・処置等24あり 52 8.96 10.43 0.00% 68.77 パス
130010xx97x2xx 急性白血病手術あり手術・処置等22あり 40 31.70 39.36 0.00% 49.78
06007xxx99040x 膵臓、脾臓の腫瘍手術なし手術・処置等1なし手術・処置等24あり定義副傷病なし 38 4.58 9.46 0.00% 69.79

 1番目に多い患者さんはリツキサンという薬剤を含む化学療法を受ける非ホジキンリンパ腫の患者さんです。リツキサンは腫瘍細胞を特異的に破壊する分子標的薬剤で、抗がん剤と組み合わせることで治療効果が改善してきました。2018年から濾胞性リンパ腫という非ホジキンリンパ腫の一種に対してはリツキサンよりも優れた治療効果を発揮するガザイバが認可されたのでさらに治療成績の向上が期待できます。多くの方で1回3週間の治療を6-8回反復するため、治療期間はおよそ半年になります。副作用が不安な方は各治療ごとに特に注意するべき時期だけ入院していただくこともできます。ただ、多くの場合、外来通院で治療を受けて頂けます。
 2番目、3番目はいずれも骨髄異形成症候群でビダーザという化学療法を受ける血液腫瘍内科で最も多く入院される患者さんです。ビダーザは骨髄異形成症候群に対する治療効果が骨髄移植以外で唯一証明されている治療です。骨髄移植が適応とならない70歳以上の方には原則として本治療が選択されます。1回あたりの時間は30分程度と短いのですが、1週間連続して治療を行いますのでこの期間は入院していただきます。入院期間中に輸血を受けて頂く方もいます。
 4番目に多い患者さんは急性白血病です。急性白血病の抗がん剤治療は強力であり、患者さんにはご負担も大きいのですが、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、リハビリテーションスタッフが協力して、患者さんが治療を完遂できるようサポートさせていただきます。
 スタッフ配置換えのため膵がん治療は別診療科で担当させていただく事になりました。


脳神経内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満)手術なし手術・処置等1なし手術・処置等24あり定義副傷病なし発症前RankinScale0、1又は2 59 13.76 16.13 23.73% 69.66 パス
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満)手術なし手術・処置等1なし手術・処置等22あり定義副傷病なし発症前RankinScale0、1又は2 34 12.94 16.16 29.41% 77.91 パス
010110xxxxx40x 免疫介在性・炎症性ニューロパチー手術・処置等24あり定義副傷病なし 28 11.00 15.90 3.57% 58.21
010080xx99x001 脳脊髄の感染を伴う炎症手術なし手術・処置等2なし定義副傷病なし15歳以上 18 11.89 12.00 0.00% 39.89
010060x2990411 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満)手術なし手術・処置等1なし手術・処置等24あり定義副傷病1あり発症前RankinScale0、1又は2 13 13.23 18.24 30.77% 75.31 パス

 脳神経内科に入院される患者さんの約半数が脳血管障害の患者さんです。そのほとんどが脳梗塞の方になります。脳梗塞の急性期治療を終えられた患者さんのうち、症状が軽い方はご自宅へ退院されています。麻痺等の症状がある方はリハビリ病棟へ転棟されてリハビリを行っています。このデータの中に当院の回復期リハビリ病棟へ転棟された患者さんは含まれていません。


小児科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他)定義副傷病なし 78 5.87 6.19 0.00% 1.82
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎手術・処置等2なし 47 3.91 5.39 0.00% 3.70
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満)手術なし手術・処置等2なし定義副傷病なし 39 5.72 5.69 0.00% 3.15 パス
030270xxxxxxxx 上気道炎 38 4.13 4.94 0.00% 1.89
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満)手術なし手術・処置等2なし 37 14.19 11.16 5.41% 0.08

 当院小児科では、一般的な病気から専門性の高い病気まであらゆる疾患群の診療に対応しており、軽症からICUでの集中治療を必要とする重症まで様々な重症度の患者さんの入院を受け入れています。その中でも多い病気は、肺炎、気管支炎などの呼吸器感染症や、ウイルス性胃腸炎などですが、どの患者さんも比較的早期に順調に回復して退院されています。
 また、当院では、在宅人工呼吸器管理や胃瘻栄養などの医療的ケアを受けている患者さんの管理を多く行っており、普段は他の病院で治療を受けている患者さんも含めて、呼吸状態などが悪くなった場合の入院治療にも対応しています。
 当院の母子医療センターでは、出生時体重1000g未満を含む低出生体重児や手術が必要な児などの重症新生児の治療を行っており、福井県の総合周産母子医療センターとして数多くの診療経験を有しています。さらに、センター退院後も、引き続き、成長発達の経過観察や合併症に対する支援を行っています。


外科・がん医療センター

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上)ヘルニア手術鼠径ヘルニア等 104 4.06 4.85 0.00% 70.44 パス
060335xx02000x 胆嚢水腫、胆嚢炎等腹腔鏡下胆嚢摘出術等手術・処置等1なし手術・処置等2なし定義副傷病なし 103 6.05 7.13 0.97% 62.66 パス
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍手術あり手術・処置等2なし 95 9.29 11.51 0.00% 69.98 パス
060150xx03xxxx 虫垂炎虫垂切除術虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 81 4.54 5.45 0.00% 27.83
060160x101xxxx 鼠径ヘルニア(15歳未満)ヘルニア手術鼠径ヘルニア等 80 2.76 2.81 0.00% 3.69 パス

 当院では積極的に救急患者さんを受け入れています。そのため、急性胆嚢炎や胆石発作で入院される方、急性虫垂炎で入院となる患者さんが多くなっています。急性胆嚢炎や急性虫垂炎の手術のほとんどを腹腔鏡下手術で行っており、体への負担が少ないために早期の退院が可能となっています。
 鼠径ヘルニアについても、幼小児から高齢の方まで、幅広い年齢の患者さんの診療を行っています。特に、小児の鼠径ヘルニア手術に関しましては、福井県内で中心的役割を果たしています。


心臓血管外科 脳心臓血管センター

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤ステントグラフト内挿術手術・処置等2なし 45 10.98 11.75 0.00% 79.20 パス
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患下肢静脈瘤手術等 45 2.16 2.78 0.00% 65.31 パス
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全動脈形成術、吻合術その他の動脈等手術・処置等2なし定義副傷病なし 42 8.71 8.48 2.38% 70.12 パス
050210xx97000x 徐脈性不整脈手術あり手術・処置等1なし、1,3あり手術・処置等2なし定義副傷病なし 26 3.65 10.80 3.85% 80.58 パス
050161xx99000x 解離性大動脈瘤手術なし手術・処置等1なし手術・処置等2なし定義副傷病なし 17 14.59 17.34 5.88% 70.24 パス

 当院の心臓血管外科は多種多様な心血管病の診断と治療を担当しています。特に急性心筋梗塞や急性大動脈解離、大動脈瘤破裂といった緊急性のある疾患については循環器内科と緊密に連絡を取り合い、24時間体制で対応しています。特徴として、質の高い手術を行うとともにできる限り体に負担をかけない、いわゆる低侵襲手術を行うことに力を入れています。人工心肺を使用しない心拍動下冠動脈バイパス術や右小開胸による僧帽弁形成術、大動脈瘤に対するステントグラフト治療がその代表です。当院は福井県内で唯一の胸部大動脈瘤ステントグラフト指導医が在籍する施設です。
 上記の1位は腹部大動脈瘤ステントグラフト内挿術、2位は下肢静脈瘤手術、3位は内シャント設置術、4位はペースメーカー移植術、5位は急性大動脈解離(スタンフォードB型)に対する降圧療法に該当します。欄外となりますが、冠動脈バイパス術や心臓弁膜症手術、胸部大動脈瘤に対する人工血管置換術・ステントグラフト内挿術も上位にランクされています。


整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折人工骨頭挿入術肩、股等 150 21.06 25.94 91.33% 84.31 パス
160760xx97xxxx 前腕の骨折手術あり 72 3.46 5.54 2.78% 52.44 パス
070350xx01xxxx 椎間板変性、ヘルニア内視鏡下椎間板摘出(切除)術等 60 9.87 10.31 3.33% 52.55 パス
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。)手術なし定義副傷病なし 32 11.78 19.40 75.00% 73.16
070343xx97x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 内視鏡下椎弓形成術 31 10.00 16.54 6.45% 71.71 パス

 整形外科で1番多い傷病名の分類は大腿骨近位部骨折に対する人工骨頭挿入術です。この骨折は高齢の方の代表的な骨折であり、寝たきりにならないようにほとんどの患者さんに手術治療を行っています。福井県では多くの医療機関が連携した大腿骨頚部骨折地域連携パスを運用しており、当院は手術を担当する急性期病院となっていますので、手術の後90%以上の患者さんは地域連携パスを用いて回復期病院へ転院して頂き、継続的にリハビリを受けて頂いています。
 2番目に多い傷病名の分類は前腕骨折の手術ありですが、その多くは手関節近くの骨折です。術後すぐに歩行できるため、特に問題なければ数日で退院可能です。
 3番目に多い傷病名の分類は腰椎椎間板ヘルニアに対する内視鏡下椎間板摘出術です。当院には脊椎内視鏡下手術の専門医が常勤しており、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など様々な脊椎疾患に対して積極的に内視鏡下手術を行っています。術後創部痛が少なく、回復も早いのが特徴であり、年々患者さんが増えてきています。
 4番目に多い傷病名の分類は胸椎、腰椎骨折の手術なしです。この多くは高齢者に多い脊椎圧迫骨折の患者さんです。当院は高度急性期病院であり保存的治療目的の長期入院は出来ないため、入院早期から転院調整を行って速やかに転院して頂いています。
 5番目に多い傷病名の分類は脊柱管狭窄に対する内視鏡下椎弓形成術です。腰椎椎間板ヘルニアと同様、内視鏡下手術のために回復が早く、平均10日で退院可能です。


形成外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160200xx0200xx 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。)鼻骨骨折整復固定術等手術・処置等1なし手術・処置等2なし 16 3.19 5.26 0.00% 28.69 パス
080010xxxx0xxx 膿皮症手術・処置等1なし - - 12.55 - - パス
100100xx97x0xx 糖尿病足病変手術あり手術・処置等2なし - - 24.27 - -
161000x199x0xx 熱傷・化学熱傷・凍傷・電撃傷(BurnIndex10未満)手術なし手術・処置等2なし - - 12.36 - -
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。)その他の手術あり手術・処置等1なし - - 4.67 - -

  当院は三次救急病院のため、外傷患者さんを多数受け入れています。そのうち、形成外科では、主に顔面外傷や熱傷の患者さんの診療を行っています。
 顔面外傷、特に顔面骨骨折の治療を行う際には、できるだけ目立たない部分に、できるだけ小さい皮膚切開での手術を心掛けています。整復後の固定には、吸収性のプレート・スクリューを用いて(強固さの問題で使えない場合もありますが)、後に問題を残さないようにしています。また鼻骨骨折では、整復後の再変形の防止に鼻腔内にしばらくガーゼを充填するのが一般的ですが、それによる口呼吸の不快さを無くすため、当科では希望があればワイヤー固定で再変形を防止し、術後も鼻で呼吸できるようにしています。
 熱傷では、人工真皮や培養表皮等の治療法の進歩によって、より重症(広範囲)の患者さんの救命が可能となってきています。当院でも、機能的・整容的に問題を残さず、また短期間で社会復帰できるよう、最新の治療を積極的に取り入れています。


脳神経外科 脳心臓血管センター

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷手術なし手術・処置等2なし定義副傷病なし 41 3.68 7.34 4.88% 47.34 パス
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷その他の手術あり手術・処置等2なし定義副傷病なし 37 6.70 9.67 2.70% 70.22 パス
010040x199x00x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10以上)手術なし手術・処置等2なし定義副傷病なし 36 17.97 20.96 61.11% 69.58 パス
010040x199x01x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10以上)手術なし手術・処置等2なし定義副傷病あり 24 27.08 33.36 83.33% 76.04 パス
160100xx97x01x 頭蓋・頭蓋内損傷その他の手術あり手術・処置等2なし定義副傷病あり 23 19.39 23.22 26.09% 79.74 パス

 当院は福井県内における三次救急病院に指定されていて、重症で緊急手術を必要とする頭部外傷の患者さんが多数救急搬送されてきます。全身多発外傷や高齢の方、さらに複数の合併症をもつ患者さんが多く、救急救命医を中心に他科の医師と協力して総合的に加療しています。
 脳内出血で搬送される患者さんの多くに、近年、内視鏡を用いて小さな侵襲で血腫除去を行っています。脳梗塞の患者さんは急性期であればtPA静注による血栓溶解療法を施行し、再開通しなければ引き続きカテーテルによる血栓除去術を積極的に施行し、脳梗塞に陥る前に血行再建を図るようにしています。後遺障害が残った脳卒中患者さんには、福井県脳卒中地域連携パスを使用して、早期に地域の回復期リハビリテーション病院、あるいは院内のリハビリテーション科へ転院/転科していただき、早く社会復帰をして頂けるよう、努めています。


皮膚科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症手術・処置等1なし 44 10.00 12.55 2.27% 64.16
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 24 8.67 9.00 0.00% 66.71 パス
080100xxxx0xxx 薬疹、中毒疹手術・処置等1なし - - 10.81 - - パス
070395xx970xxx 壊死性筋膜炎手術あり手術・処置等1なし - - 34.78 - -
080190xxxxxxxx 脱毛症 - - 3.44 - - パス

 分類上位2つの診断群は、疾患の特性もあって、ほとんどが緊急入院の患者さんです。全国データと比較して当院での平均在院日数は短い傾向にありますが、入院期間は短くても十分な検査や治療を行っています。
 下位の難治重症診断群については、入院加療が可能な施設は県内でも限られます。高度救命病院である当院では、同じ診断病名でも重症症例の占める割合が多くなるため、全国平均と比較して平均在院日数の延長がみられます。
 記載以外の疾患では、乾癬には外用療法で効果不十分な場合は内服薬や光線療法を行い、さらに重症例では生物学的製剤の導入を行っています。
 その他の疾患においても、総合病院の特色を活かし他科との連携を図りながら、最新最高の医療を提供できるように努めています。なお、当科における診療方針として、 可能なものは手術も含めて外来診療を基本としています。


泌尿器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx0200xx 膀胱腫瘍膀胱悪性腫瘍手術経尿道的手術手術・処置等1なし手術・処置等2なし 98 5.77 7.07 0.00% 74.89 パス
110080xx991x0x 前立腺の悪性腫瘍手術なし手術・処置等1あり定義副傷病なし 89 2.12 2.49 0.00% 70.61 パス
11012xxx040x0x 上部尿路疾患体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき)手術・処置等1なし定義副傷病なし 41 2.44 2.64 0.00% 58.78 パス
11012xxx020x0x 上部尿路疾患経尿道的尿路結石除去術手術・処置等1なし定義副傷病なし 30 5.73 5.61 3.33% 60.73 パス
110070xx99x20x 膀胱腫瘍手術なし手術・処置等22あり定義副傷病なし 25 6.68 10.65 0.00% 72.72

 検診等でPSA高値の場合、積極的に前立腺針生検検査を行っています。鎮痛剤を注射したのち、肛門から、示指ぐらいの太さの超音波の器械を挿入し、前立腺を10箇所針で刺す検査です。1泊2日で行っております。前立腺癌と診断された場合は、保険適応になった陽子線治療を積極的に勧めています。膀胱癌につきましては、約半数が再発しますので、下半身麻酔下に尿道から内視鏡を挿入して、電気メスで腫瘍を削り取る手術を行っています。術後再発予防に抗癌剤注入も行っています。尿管結石に伴う急性腎盂腎炎に対しては、細菌が血液内に入り危険な状態になることがありますので、24時間体制で、尿管に細い管を挿入するなどの処置を行い、状態が悪いときは集中治療室で手厚い治療を行っています。尿路結石に対しては、令和元年10月に導入した新規の体外衝撃波破砕装置によって結石を破砕し、患者さんがなるべく早く痛みから解放されるように努めています。


産科・婦人科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常子宮全摘術等 74 10.66 9.66 0.00% 33.58 パス
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍子宮頸部(腟部)切除術等手術・処置等2なし 63 3.00 3.13 0.00% 41.22 パス
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍子宮全摘術等 60 8.43 9.71 0.00% 45.62 パス
120170xx99x0xx 早産、切迫早産手術なし手術・処置等2なし 60 34.15 19.06 1.67% 31.93
12002xxx01x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍子宮悪性腫瘍手術等手術・処置等2なし 41 10.83 12.29 0.00% 58.46 パス

 県内の出生数は減少しています。しかし、高齢妊娠などで合併症妊娠が増加していることもあり、元気な赤ちゃんを出産して頂くための帝王切開が必要になる妊婦さんが増加しています。当院は総合周産期母子医療センターを併設しているため、ハイリスク妊娠の妊婦さんが多く集まります。そのため、全分娩に占める帝王切開率が約30%となっていますが、ほとんどの方が元気な赤ちゃんを出産されています。
 切迫流産、切迫早産、早産の方も当院に紹介入院されることが多くなっています。出来るだけ妊娠を継続して頂けるように総合周産期母子医療センターで治療を行います。
 子宮頚部の異形上皮や、上皮内癌では子宮を摘出することなく、病変部の子宮頚部のみを摘出する子宮頚部円錐切除術を行います。この手術方法は妊娠を前提として行う手術方法です。結婚前などの若い患者さんで、この手術後に妊娠された方も大勢いらっしゃいます。
 子宮筋腫などで子宮を摘出する手術には、お腹を10cm程度切開し子宮を摘出する方法(腹式子宮全摘出術)、お腹に一切傷をつけず膣から子宮を摘出する方法(腟式子宮全摘出術)、下腹部に2-3カ所小さな穴を開けそこから内視鏡カメラや鉗子を挿入し、最後は膣から子宮を摘出する方法(腹腔鏡下腟式子宮全摘出術)があります。いずれの手術方法を選択するかは子宮の大きさ、癒着の程度、過去の経腟分娩の有無などを参考に患者さんと相談しながら決めています。
 卵巣と卵管を合わせて子宮付属器と呼びますが、このうち卵巣は女性の体の中で最も腫瘍(おでき)の種類が多い臓器です。がんの様なものもありますが、その頻度は低く、皮様嚢腫(卵巣内に脂肪や毛髪がたまるもの)や子宮内膜症性嚢胞(卵巣内にチョコレート色の血液がたまるもの)、あるいは、唾液のような粘液がたまったり、尿のようなさらさらした水がたまるものなどの良性腫瘍が比較的多い状況です。これらの多くは薬物では完治しないため、腹腔鏡を用いて病巣部だけ摘出したり、あるいは、片側の付属器全部を摘出します。腹部をほとんど切開しないので痛みも軽く、入院期間も短くなっています。


眼科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 水晶体の疾患手術あり片眼 314 1.88 2.78 0.00% 74.13 パス
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患手術あり両眼 131 2.76 5.09 0.00% 74.60 パス
020200xx9710xx 黄斑、後極変性手術あり手術・処置等1あり手術・処置等2なし 21 6.29 6.71 0.00% 71.10 パス
020320xx97xxxx 眼瞼、涙器、眼窩の疾患手術あり 10 2.10 3.27 0.00% 68.30 パス
020230xx97x0xx 眼瞼下垂手術あり手術・処置等2なし - - 3.10 - - パス

 白内障に対する手術が最も多く、片眼の場合は日帰りまたは1泊入院で、両眼の場合は3泊4日入院で治療を行っています。網膜硝子体疾患(黄斑前膜、黄斑円孔などの黄斑疾患あるいは、糖尿病網膜症など)の手術がこれに次いで多くなっています。患者さんの負担を少なくして早く退院できるよう、広角眼底観察システムを用いた極小切開硝子体手術を導入しています。眼瞼下垂や眼瞼内反症など、眼形成手術についても積極的に取り組んでいます。


耳鼻いんこう科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎手術なし 50 4.98 5.45 0.00% 41.86 パス
030428xxxxxxxx 突発性難聴 45 7.18 8.93 0.00% 57.67 パス
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 42 9.43 7.80 0.00% 25.90
030240xx01xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎扁桃周囲膿瘍切開術等 40 6.50 7.76 0.00% 44.18 パス
030390xx99xxxx 顔面神経障害手術なし 32 7.38 9.13 0.00% 52.88

 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、あるいは、急性咽頭喉頭炎の患者さんには、薬の治療だけで済む方から、気管切開、集中治療室での治療を要する重症の方までおられます。患者さん毎に正確に判断して、迅速に適切な治療を行っています。
 突発性難聴は突然耳が聞こえにくくなる疾患で、発症後できるだけ早期に治療を始めています。
 小児の扁桃肥大、アデノイド肥大に対しては、従来の方法よりも安全性が高く、術後の痛みが少ないPITA法による手術を行っています。


核医学科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100020xx99x2xx 甲状腺の悪性腫瘍手術なし手術・処置等22あり 21 5.71 6.31 0.00% 56.90 パス
100020xx99x5xx 甲状腺の悪性腫瘍手術なし手術・処置等25あり - - 8.49 - - パス

 核医学科では様々な種類の放射性物質を用いた放射線治療(標的アイソトープ治療)に取り組んでおります。当該治療専任の放射線治療専門医が行っており、県内外から広く患者さんを受け入れております。標的アイソトープ治療に特化した専門医や設備を有する医療機関は全国的にも希少であり、最先端の治療にいち早く対応できる体制を整えているのが当院の特色です。
 

指標3 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数【ファイルをダウンロード】

初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 168 16 22 23 3 68 1 UICC第8版
大腸癌 51 57 68 52 6 75 1 UICC第8版
乳癌 61 77 21 4 0 32 1 UICC第8版
肺癌 85 19 109 175 87 206 1 UICC第8版
肝癌 18 32 26 18 4 104 1 UICC第8版

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

 福井県立病院は都道府県がん診療拠点病院として、多くのがん患者さんの治療を行っていますが、病期(Stage)別の患者さんの数は施設がその地方でどのような機能を分担しているかによって異なります。症例数を見ると初発例では肝癌を除く4つの癌腫で前年度から増加し、再発例を含めると5大がん全てで増加しています。

 全国的に胃癌、乳がん、肺癌ではがん検診や人間ドックが普及し無症状で発見される早期(Stage I)の患者さんが多くなっている傾向にありますが、当院も同様の傾向です。当院は救急救命センターを持ち一次から三次までの患者さんを広く受け入れていますが、毎年救急受診から入院となる患者さんは全入院の40%以上になります。がん患者さんで救急部を受診され入院となる患者さんは症状が出現した進行期の例の患者さんが多くなりますので、肺癌あるいは胃癌といった癌腫で進行期(Stage IV)の患者さんが多くなっています。

 一方早期発見が可能な胃、肺といった癌で進行期で発見される方の多くは、一度も健康診断を受けた事がない、あるいは健康診断で異常があると言われながら放置していたといった場合が多く、こうした方々への啓蒙、働きかけが重要です。肝癌についても、ウイルス肝炎や生活習慣病などの高リスク群が明らかにされ、こうした方々から早期発見が進んでいる一方で、肝疾患がある事が分かっていながら長く病院を受診されない方、あるは一度も肝機能をチェックした事がない、あるいはご自分でこうした高リスク群であることを理解されていない方もおられます。大腸癌は全てのStageの症例数がほぼ同数となっていますが、健康診断での早期発見が可能な癌の代表であり、Stage IIIあるいはStage IVといった進行例の患者さんが多くおられることは残念なことです。
この表で示される5大癌は、白血病、リンパ腫といった血液の癌と異なり固形癌といわれ、進行した段階で発見された場合は、根治(がんを完全に治す)する事は難しく、治療法の選択も狭まり、また治療自体も辛いものになってしまいます。日頃から生活習慣の改善を心がけ、がんが発見された場合でも早期の段階で治療が受けられるよう、がん検診や人間ドックを定期的に受けることえを心掛けましょう。

指標4 成人市中肺炎の重症度別患者数等【ファイルをダウンロード】

患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 49 8.71 57.57
中等症 153 12.45 76.78
重症 33 12.55 79.24
超重症 32 19.13 79.75
不明 - - -

 市中肺炎とは、病院外で日常生活をしていた人に発症した肺炎です。成人市中肺炎のなかでは入院適応となる中等症患者さんの入院が最も多い状況です。軽症から中等症、そして重症へと病気が重くなるにつれて、治療に日数がかかり、平均年齢が高くなる傾向となっています。
 肺炎で亡くなられる方の96.5%は65歳以上の患者さんで、重症化する前の早期発見、早期治療が非常に大切です。咳や発熱、呼吸困難などの症状がありましたら、早めにかかりつけ医を受診してください。肺炎兆候がありましたら紹介医を通じて呼吸器内科で対応させていただきます。また、当院救急外来は24時間対応を行っています。さらに当院は呼吸器疾患集中治療室(RCU)を有していますで、超重症肺炎にも十分に対応可能です。

指標5 脳梗塞の患者数等【ファイルをダウンロード】 

発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 272 21.69 76.82 34.25%
その他 17 13.94 72.94 1.38%

  脳梗塞の患者さんについては、主に脳神経外科と脳神経内科で診療に当たっています。当院は高度急性期病院であるため、脳梗塞が発症して3日以内の急性期の患者さんが9割以上を占めています。
 

指標6 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)【ファイルをダウンロード】


消化器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル未満 481 0.02 1.06 0.00% 66.85 パス
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術 120 1.00 6.54 0.00% 73.27 パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 89 2.31 13.21 4.49% 79.20 パス
K654 内視鏡的消化管止血術 76 0.84 8.86 7.89% 74.38
K6871 内視鏡的乳頭切開術 胆道砕石術を伴うもの 59 2.15 7.05 1.69% 73.27 パス

 当科で令和元年度に施行された手術の中で一番多い手術は内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術です。最近では大腸内視鏡検査の普及に伴い、大腸ポリープや大腸腫瘍性病変が多く発見されるようになったことに加え、食生活の欧米化に伴い大腸腫瘍性疾患の患者さんが増加していると言われています。これらの病変に対する治療としての内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術を受ける患者さんが多くなっています。早期発見、早期治療により進行大腸癌の予防ができることから、今後も増加していく治療であると思われます。
 次に多いのは、胃腫瘍性病変の治療としての内視鏡的早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術です。内視鏡検査の精度向上により、内視鏡手術で治療が可能なうちに、早期に胃癌病変を発見できる患者さんの数が増えてきているためです。 外科手術に比べて生活への影響が少ないことや、高齢の方が増加していることもあり、治療を受ける患者さんのニーズはしばらく続くものと思われます。
 当院の特徴として、救急外来より胆管炎や閉塞性黄疸で緊急入院される患者さんが多い状況にあります。胆管炎や閉塞性黄疸は胆管内の結石や腫瘍が胆管を閉塞して起こす病気であり、詰まってしまった胆汁を元通りに十二指腸に流れるようにする治療が内視鏡的乳頭切開術や内視鏡的胆道ステント留置術です。患者さんの状態が安定してから治療することもありますが、どうしても緊急に治療しなければならない場合もあります。この治療の際には結石に対する手術を施行する場合もあり、患者さんの状態によっては術前・術後とも入院日数が長くなることがあります。胆管にステントを留置したり、胆管内の結石を取り出すためには、胆管の出口である十二指腸乳頭部の切開が必要です。当院ではクラッシャーといった石を砕く道具を使う患者さんよりも、カテーテルの先についているバルーンという風船で10mm以下の結石を掻き出す患者さんが多い傾向にあります。
 現代の日本では高齢化社会のなかで狭心症や不整脈、脳梗塞に対し血液をさらさらにする薬を内服している患者さんが増加しています。当科では救急患者さんを多く受け入れていることもあり、出血性胃十二指腸潰瘍に対して緊急内視鏡治療を行う患者さんも少なくありません。これらの患者さんはヘリコバクターピロリ陽性の方が多く、潰瘍が非常に出来やすい状態であるため、今後もしっかり対応していかねばならない疾患と考えながら、診療を行っています。


呼吸器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K509-3 放射線マーカー留置術 - - - - - パス
K5091 気管支異物除去術(直達鏡) - - - - -
K6151 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(止血術) - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
K0461 骨折観血的手術(大腿) - - - - - パス

 呼吸器内科では多くの肺癌患者さんが来院され、検査・治療を受けています。当院は最新の放射線治療装置を有しており、気管支鏡を使って肺癌の周囲に1mm大の金球を留置して目印にすることで、呼吸で動いてしまう肺の病巣に対しても正確に放射線を照射することができます。治療期間は3週間程度となっています。
 次いで多いのが気管支異物の患者さんです。緊急気管支鏡を行い、異物の摘出を行っております。
 3番目は喀血・気管支出血ですが、大量に喀血した場合には、放射線科医師が出血の原因となっている気管支動脈を塞栓物で詰める止血術を行っています。


循環器内科 脳心臓血管センター

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 122 1.86 3.39 0.00% 69.28 パス
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 67 1.24 2.73 4.48% 70.45 パス
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 66 0.53 1.05 12.12% 72.48 パス
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術 急性心筋梗塞に対するもの 50 0.04 15.38 8.00% 73.10 パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術 心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの 41 1.46 2.98 0.00% 64.20 パス

 循環器内科での入院による主たる治療は経皮的冠動脈ステント術ですが、狭心症・急性心筋梗塞に対しては9割以上が経皮的冠動脈ステント術となっています。また、全身血管疾患、特に下肢血管の治療に関してはカテーテルによる形成術・ステント留置術を受けられる患者さんが多くなっています。また、透析患者さんのシャント狭窄や閉塞に対してのカテーテル治療も行っています。
 人口の高齢化に伴い、生活習慣病が背景にある心房細動の患者さんが増加しており、心房細動のカテーテルアブレーション治療が昨年に比べてさらに多くなっています。また、従来は心臓血管外科に依頼していたペースメーカ移植術も基本的には循環器内科で移植術を行っています。
 当院では、外来での冠動脈CTやアイソトープ検査等を行い、侵襲的な治療が必要であれば入院の上、経皮的冠動脈形成術・ステント留置術、カテーテルアブレーション術を行い、入院期間ができるだけ短くなるように努めています。


腎臓・膠原病内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K610-3 内シャント設置術 40 15.00 32.00 15.00% 69.28 パス
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 23 10.39 13.48 8.70% 71.39 パス
K6147 バイパス移植術(その他の動脈) - - - - - パス
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 - - - - -

 腎不全のため血液透析導入が必要な場合や、透析患者さんで内シャントが使用できない場合などは、内シャント設置術が必要です。手術は心臓血管外科医が行います。内シャントの調子が悪く、その原因が狭窄である場合は、循環器内科医が経皮的シャント拡張術・血栓除去術(カテーテルを用いてシャントを治療する手術)を行っています。内シャント手術を行う場合、吻合する血管が乏しいときには、心臓血管外科医が人工血管を用いた血管移植術やバイパス移植術を行っています。腎不全の治療で、CAPD(連続携行式腹膜透析)を選択したときは腹腔内へのカテーテル挿入術を行います。口から食事がとれない方や食べてもむせこんで肺炎などをきたしやすい方に、内視鏡にて直接栄養を投与するチューブを造設する胃瘻造設術が行われることがあります。それ以外の手術は、合併症の治療に要した手術です。


内分泌・代謝内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K270 虹彩光凝固術 - - - - -
K2762 網膜光凝固術(その他特殊) - - - - -
K282-2 後発白内障手術 - - - - -
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル未満 - - - - -
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - - - - -

 入院中に糖尿病の合併症の検査をして、眼の合併症が進行していた場合、眼科で網膜光凝固術を行うことがあります。この治療は眼の合併症を悪化させないために行う重要な治療です。白内障手術も眼科で行いますが、高血糖状態では感染症の危険性が高まりますので、血糖改善後に行います。入院中の患者さんが大腸内視鏡検査を受けて大腸ポリープが発見された場合、内視鏡的大腸ポリープ切除術が施行されることもあります。当科で肺炎の患者さんを担当することがあります。全身が衰弱して食べ物を飲み込む力が弱くなると、食べ物が気管に入ってしまって、肺炎を起こしてしまう場合があります。肺炎は時に致命的になることがあり、その対策の一つとして、胃瘻を造設します。胃瘻は腹部の外側から管を通じて胃の内部に栄養や水分を送り込むためものです。


血液・腫瘍内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K697-32ロ 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として) 2センチメートルを超えるもの その他のもの 21 1.00 5.19 0.00% 73.48 パス
K9212ロ 造血幹細胞採取(末梢血幹細胞採取)(自家移植) - - - - - パス
K6261 リンパ節摘出術(長径3cm未満) - - - - -
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - - パス
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 - - - - -

 現在、手術に関して当科では造血幹細胞採取だけ行っています。その他の手術は他診療科に依頼しています。
 肝臓の悪性腫瘍に対する治療である肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法ですが、他院では施行困難と判断された患者さんの中には、種々の工夫により治療できた方もいました。ただ、現在はスタッフ配置変更のため、当科ではなくて当院消化器内科で本治療を施行しています。


脳神経内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - - - - - パス
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
K270 虹彩光凝固術 - - - - -
K331 鼻腔粘膜焼灼術 - - - - -
K386 気管切開術 - - - - -

 脳神経内科で手術を受ける患者さんは多くはありません。気管切開は、ご自分の力で呼吸することが難しくなり、人工呼吸器を使用することが必要になった患者さんなどに行っています。胃瘻造設は、口から食事をとることが難しくなった脳梗塞や変性疾患の患者さんに行っています。いずれの手術も専門の診療科に依頼して実施しています。
 胃瘻造設や気管切開を受けた方の多くはご自宅へ戻ることが困難なために、転院しての入院継続が必要になります。


小児科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度のもの) 15 0.00 38.67 13.33% 0.00
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死2度のもの) - - - - -
K7151 腸重積症整復術 非観血的なもの - - - - -
K386 気管切開術 - - - - -
K7291 腸閉鎖症手術(腸管切除を伴わないもの) - - - - -

 腸重積を整復できなかったお子様、あるいは、腸閉鎖症のお子様をお預かりした場合も、すぐに院内で活躍している小児外科専門医に紹介するため、安心です。また、胃瘻造設が必要と判断されるお子様にも当院で胃瘻を造設し、その後の栄養管理に活用して頂いております。


外科・がん医療センター

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 111 0.94 4.50 0.90% 63.54 パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 111 0.94 1.77 0.00% 50.47 パス
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 92 4.90 10.83 5.43% 73.37 パス
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 80 0.20 3.24 0.00% 27.73
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 73 0.85 1.32 0.00% 27.67 パス

 当院では急性胆嚢炎や急性虫垂炎の救急患者さんを数多く受け入れていますので、腹腔鏡下胆嚢摘出術や腹腔鏡下虫垂切除術の件数が多くなっています。特に、急性胆嚢炎に対しては、癒着が高度になっていない、なるべく発症して間もない時期に腹腔鏡下手術を行うことで、早期退院が可能となっています。ただ、発症後の日数が経過している胆嚢炎、炎症が非常に強い胆嚢炎、患者さんの全身状態が悪い場合などは、無理をせずに、内科的治療から開始することもあります。

 鼠径ヘルニアは脆弱になった腹壁の穴から腸管が飛び出してくるようになった状態です。手術で腹壁の穴をふさぐことになりますが、当科では腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術を多く行っています。手術後の疼痛軽減が早いため、手術後2日程での退院となっています。ただ、御高齢の方や多くの病気をお持ちの患者さんの場合には、全身麻酔による負担が心配ですので、局所麻酔下に鼠径ヘルニアの手術を行うことがあります。また、当院では小児の鼠径ヘルニアの患者さんに対しても腹腔鏡を用いた手術を行っており、詳細な観察の元、確実な手術操作が可能となっています。

 当院では、ほとんどの大腸(結腸)がん患者さんに腹腔鏡手術を行っています。腹腔鏡手術の実施にあたっては、胃がん、肺がん、膵がん、肝がん等に対する腹腔鏡手術の場合と同様、安全性と癌の根治性を最優先しています。腸閉塞を来した大腸(結腸)がんの患者さんでは、入院を早めて食事制限等を行ったり、時には、腸閉塞を軽減させるためのチューブを留置して、十分な準備の後に手術を行っています。こうした取り組みもあって、術後合併症の発生が少なく、ほとんどの患者さんが手術後10日程で退院されています。


心臓血管外科 脳心臓血管センター

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K610-3 内シャント設置術 38 1.08 5.34 2.63% 69.00 パス
K5612ロ ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) 37 2.41 7.97 0.00% 79.22 パス
K617-2 大伏在静脈抜去術 34 0.03 1.15 0.00% 64.79
K597-2 ペースメーカー交換術 24 0.46 1.83 4.17% 81.96 パス
K5522 冠動脈バイパス移植術(2吻合以上) 20 7.30 22.70 5.00% 72.30

 当院の心臓血管外科は多種多様な心血管病の診断と治療を担当しています。特に急性心筋梗塞や急性大動脈解離、大動脈瘤破裂といった緊急性のある疾患については循環器内科と緊密に連絡を取り合い、24時間体制で対応しています。特徴として、質の高い手術を行うとともにできる限り体に負担をかけない、いわゆる低侵襲手術を行うことに力を入れています。人工心肺を使用しない心拍動下冠動脈バイパス術や右小開胸による僧帽弁形成術、大動脈瘤に対するステントグラフト治療がその代表です。
 特にステントグラフト治療には力を入れており、手術数は400例を超え、福井新聞で紹介されるに至っています。平成30年4月には最先端の放射線透視装置を備えたハイブリッド手術室が完成し、より高度で精度の高い治療が可能となりました。福井県内で唯一の胸部大動脈瘤ステントグラフト指導医が在籍する施設であり、その責務は大きいと考えています。


整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 93 2.63 18.19 89.24% 84.12 パス
K134-22 内視鏡下椎間板摘出(切除)術(後方摘出術) 61 1.67 8.64 1.64% 52.62 パス
K0811 人工骨頭挿入術(股) 43 3.93 16.44 90.70% 83.93 パス
K0462 骨折観血的手術(前腕) 35 1.60 3.03 8.57% 60.97 パス
K142-5 内視鏡下椎弓形成術 34 1.38 8.06 8.82% 72.24 パス

 整形外科で最も多い手術は大腿骨に対する骨折観血的手術です。特に高齢の方の代表的な骨折である大腿骨転子部骨折がその多くを占め、寝たきりを防ぐために積極的に手術治療を行っています。福井県では多くの医療機関が連携した大腿骨頚部骨折地域連携パスを運用しており、当院は手術を担当する急性期病院となっていますので、ほとんどの患者さんは術後2~3週間で地域連携パスを用いて回復期病院へ転院して頂き、継続的にリハビリを受けて頂いています。
 2番目に多い手術は腰椎椎間板ヘルニアに対する内視鏡下椎間板摘出術です。当院には脊椎内視鏡下手術の専門医が常勤しており、腰椎椎間板ヘルニアはもちろん、5番目に多い脊柱管狭窄症に対する内視鏡下椎弓形成術も含めて様々な脊椎疾患に対して積極的に内視鏡下手術を行っています。内視鏡下手術は傷が小さいだけでなく、術後創部の痛みも少ないため、術後1週間程度で退院可能です。
 3番目に多い手術は高齢の方の代表的な骨折である大腿骨頚部骨折に対する人工骨頭挿入術です。先ほどの大腿骨転子部骨折と同様、寝たきりを防ぐために積極的に手術治療を行い、ほとんどの患者さんは術後2~3週間で地域連携パスを用いて回復期病院へ転院して頂いています。
 4番目に多い手術は前腕骨に対する骨折観血的手術です。手関節周囲の骨折が多いのですが、術後すぐに歩行が可能になるため、3日程度で退院可能です。


形成外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K333 鼻骨骨折整復固定術 11 1.00 1.09 0.00% 24.27 パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) - - - - -
K0134 分層植皮術(200cm2以上) - - - - -
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) - - - - -
K427 頬骨骨折観血的整復術 - - - - - パス

 当院は三次救急病院のため、外傷患者さんを多数受け入れています。そのうち、形成外科では、主に顔面外傷や熱傷の患者さんの診療を行っています。
顔面外傷、特に顔面骨骨折の治療を行う際には、できるだけ目立たない部分に、できるだけ小さい皮膚切開での手術を心掛けています。整復後の固定には、吸収性のプレート・スクリューを用いて(強固さの問題で使えない場合もありますが)、後に問題を残さないようにしています。また鼻骨骨折では、整復後の再変形の防止に鼻腔内にしばらくガーゼを充填するのが一般的ですが、それによる口呼吸の不快さを無くすため、当科では希望があればワイヤー固定で再変形を防止し、術後も鼻で呼吸できるようにしています。
 高齢の方の人口増加のためか、老人性の眼瞼下垂症患者さんが増加しています。こうした患者さんに対しても整容的に留意した手術治療を行っています。
 また熱傷等の外傷や腫瘍切除後の皮膚欠損の患者さんに対しての全層および分層の植皮術も多数行っており、この際も、整容的に、また植皮によるひきつれをできるだけ起こさないよう留意しながら、手術治療を行っています。


脳神経外科 脳心臓血管センター

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫洗浄・除去術(穿頭による) 42 1.21 11.19 14.29% 79.43 パス
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術 その他のもの 22 3.55 29.36 13.64% 62.09 パス
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 16 2.81 9.50 6.25% 75.75 パス
K1781 脳血管内手術(1箇所) 12 0.83 12.50 8.33% 59.75 パス
K178-4 経皮的脳血栓回収術 10 0.60 22.90 60.00% 79.70

 慢性硬膜下血腫は高齢の患者さんに多い病気で、軽度の外傷を契機に発症します。最近、血液を固まりにくくする薬を服用される方が増えてきたため、本疾患が増加傾向です。緊急手術の対象となる事が多く、当科でも救急搬送される入院患者さんの割合が増えてきています。
 頭蓋内腫瘍摘出術は、良性腫瘍では髄膜腫や下垂体腺腫の患者さんに、悪性腫瘍では転移性脳腫瘍や膠芽腫の患者さんに多く実施しています。手術は顕微鏡・内視鏡やナビゲーション、モニターを駆使して安全に行っています。悪性腫瘍の場合は化学療法や放射線(陽子線)治療を含む集学的治療が必要となります。
 頚動脈狭窄症に対してはカテーテルによる頚動脈ステント術を施行しています。また、近年、血栓回収術を含めカテーテルによる脳血管内手術の割合が増えており、救急搬送や他院から依頼された患者さんに実施しています。
 未破裂や破裂(くも膜下出血を合併した)の脳動脈瘤に対してはカテーテルによる脳動脈瘤塞栓術と開頭によるクリッピング術のどちらか安全な治療法を選択しています。 
 平成30年度からはハイブリッド手術室が運用開始となり、全身麻酔下にいっそう安全に治療を行っています。


皮膚科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) - - - - -
K0053 皮膚,皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径4cm以上)) - - - - -
K0853 四肢関節離断術(指・足) - - - - -

 当科で行う手術の大多数は、日帰り手術として外来で実施しており、入院対象として計上されません。しかし、翌日の経過確認が必要な患者さんや、やや複雑高度な手術に関しては、短期入院で実施しています。さらに全身麻酔や入院が必要となる患者さんについては、形成外科などとも連携して、患者さんに最適な手術を提供できるように努めています。


泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 101 1.30 3.57 0.00% 74.85 パス
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 44 1.20 1.93 2.27% 60.27 パス
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの) 29 1.03 3.69 0.00% 60.38 パス
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 16 0.31 8.88 0.00% 76.56
K773 腎(尿管)悪性腫瘍手術 13 1.46 9.46 0.00% 64.77

膀胱癌の約半数が再発することを考慮し、多くの患者さんで下半身麻酔下に尿道から内視鏡を挿入して、腫瘍を電気メスで削り取る手術を行っています。さらに、術後再発予防に抗癌剤注入も行っています。
 尿路結石に対しては、令和元年10月に導入した新規の体外衝撃波破砕装置によって結石を破砕し、患者さんがなるべく早く痛みから解放されるように努めています。体外衝撃波破砕装置で砕けなかった場合は、全身麻酔か下半身麻酔をかけて、細い内視鏡を尿管内に挿入し、レーザーで細かく砕いた後、砕石片を抽石してきます。
 前立腺肥大症で排尿困難が強い患者さんに対しては、下半身麻酔をかけて、内視鏡を挿入し、電気メスで前立腺を削り取る手術を行っています。


産科・婦人科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 93 10.14 7.05 0.00% 33.80 パス
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 65 11.03 6.98 0.00% 33.94 パス
K867 子宮頸部(腟部)切除術 63 0.94 1.06 0.00% 41.22 パス
K877 子宮全摘術 62 0.98 6.45 0.00% 49.00 パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡によるもの) 59 1.22 4.20 0.00% 45.58 パス

 近年出産数は減少していますが、高齢妊娠が増加してリスク(危険度が高い)のある妊娠さんが増加していることもあり、赤ちゃんに負担をかけないように帝王切開を行う機会が増えています。帝王切開による出産は自然分娩による出産より感染症、血栓症などの合併症の頻度が多少高くなるものの、経腟分娩が危険と判断される際には帝王切開を行います。特に当院には総合周産期母子医療センターを併設しているため、緊急に(30分以内)帝王切開による娩出を必要とする妊婦さんも搬送されてきます。
 ここ十数年の間に若年者の子宮の入り口に出来る子宮頚癌が増加しています。初期であれば、子宮頚部円錐切除術、すなわち、子宮の入り口の病巣を切り取るだけの子宮本体を残す子宮頚部(腟部)切除術で治療し、その後の妊娠を可能とさせています。癌が進行していた場合には広範囲に子宮を摘出しなくてはなりませんが、当科では広範囲に子宮を取らなくてはならない患者さんであっても、将来妊娠を希望されており、がんの範囲も比較的小さい場合には、広汎子宮頚部摘出術を行って妊娠の可能性を残すようにしています。そのほか、増加している子宮体部の悪性腫瘍の患者さんにも対応しています 。
 子宮筋腫などで子宮を摘出する手術には、お腹を10cm程度切開し子宮を摘出する方法(腹式子宮全摘出術)、お腹に一切傷をつけず膣から子宮を摘出する方法(腟式子宮全摘出術)、腹腔鏡を使って子宮を摘出する方法(腹腔鏡下腟式子宮全摘出術)があります。いずれを選択するかは子宮の大きさ、癒着の程度、経腟分娩の有無などを参考に患者さんと相談しながら決めています。
 子宮付属器とは子宮の両側にある卵巣と卵管のことです。このうち卵巣は女性の体の中で最も腫瘍(おでき)の種類が多い臓器です。がんの様なものもありますが、その頻度は低く、皮様嚢腫(卵巣内に脂肪や毛髪がたまるもの)や子宮内膜症性嚢胞(卵巣内にチョコレート色の血液がたまるもの)、あるいは、唾液のような粘液がたまったり、尿のようなさらさらした水がたまるものなどの良性腫瘍が比較的多い状況です。これらの多くは薬物では完治しないので、腹腔鏡を用いて病巣部だけ摘出したり、あるいは、付属器全部を摘出したりします。腹部をほとんど切開しないので痛みも軽度で入院期間も短くなっています。


眼科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズ挿入)(その他) 452 0.04 1.17 0.00% 74.19 パス
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含むもの) 31 0.23 5.55 0.00% 66.29 パス
K2193 眼瞼下垂症手術(その他のもの) - - - - - パス
K2171 眼瞼内反症手術(縫合法) - - - - - パス
K279 硝子体切除術 - - - - - パス

 白内障に対する手術が最も多く、片眼の場合は日帰りまたは1泊入院で、両眼の場合は3泊4日入院で治療を行っています。黄斑疾患、糖尿病網膜症、網膜剥離など硝子体疾患に対する硝子体手術がこれに次いで多くなっています。いずれの手術でも、患者さんが早く退院できるよう、体の負担が少ない手術を心がけています。また、眼瞼下垂や眼瞼内反症など、眼形成手術についても積極的に取り組んでいます。


耳鼻いんこう科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 40 0.98 8.18 0.00% 26.05 パス
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 33 0.73 4.24 0.00% 40.67
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)) 24 1.00 3.38 0.00% 52.96 パス
K4631 甲状腺悪性腫瘍手術(切除) 19 1.00 4.16 0.00% 51.05 パス
K3932 喉頭腫瘍摘出術(直達鏡によるもの) 18 1.33 3.72 0.00% 71.72

 扁桃周囲膿瘍に対しても、早期に扁桃周囲膿瘍切開術を行い、速やかな治癒をめざしています。
 小児の扁桃肥大では、パワーデバイスを用い、安全性が高く、術後の痛みが少ないPITA手術を行っています。
 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術)は、ナビゲーションを使用し、安全性を確保しています。入院期間や術後治療の期間が短く、患者さんにとって満足度の高い手術となっています。
 甲状腺悪性腫瘍手術では、全例に神経モニターを行い、安全性の高い手術を行っています。
 

指標7 その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)【ファイルをダウンロード】

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 70 0.52%
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 119 0.88%
異なる - -

 播種性血管内凝固症候群に関しては、「入院契機と同一」とは、患者さんが播種性血管内凝固症候群の診断で入院したことを意味しますし、「入院契機と異なる」とは、別の病気で入院したものの、入院中に播種性血管内凝固症候群を発症して、その治療に医療資源を多く投入したことを意味します。平成30年度と比較して、症例数はほとんど変わりませんでした。
 敗血症に関しても、「入院契機と同一」とは、患者さんが敗血症の診断で入院したことを意味しますし、「入院契機と異なる」とは、別の病気で入院したものの、入院中に敗血症を発症して、その治療に医療資源を多く投入したことを意味しています。「入院契機と同一」の患者さんの数は平成30年度は49例でしたが、令和元年度は70例であり、最初から敗血症をきたしていた重篤な患者さんを当院がさらに多く受け入れたことを意味しています。
 手術・処置等の合併症とは、手術や処置を行う場合に一定の割合で発生してしまういわゆる”医療ミス”を示すものではありません。「入院契機と同一」の患者さんは、最初から合併症の治療を目的に当院に入院された患者さんであり、「入院契機と異なる」の患者さんは入院中に手術や処置等を行った後に合併症のみられた患者さんの数を意味しています。「入院契機と同一」の患者さんの中には当院の患者さんだけでなく、他の病院からの患者さんも数多く含まれています。手術・処置等の合併症をゼロにすることはできませんが、さらなる減少を目指すとともに、合併症が起こった場合でも、その影響を最小限に留めるようにしています。