病院指標
はじめに
この病院情報(7つの指標)の公表については、平成28年度から、全国のDPC対象病院で開始されました。DPC(診断群分類)では、どんなご病気で入院し、どんな手術や処置を受けるかにより、全国共通のコードで分類しています。
次の7つの指標は、昨年度の当院の診療実績について、全国共通のルール(下記の集計条件)に沿って集計しました。
<集計条件>
・令和6年4月1日から令和7年3月31日までの退院患者さんの診療実績です。ただし、入院後24時間以内あるいは生後7日以内に死亡された患者さんや、臓器移植を受けた患者さん等については、集計に含めておりません。
・10件未満の場合は、件数ではなく「-(ハイフン)」で表示しています。
- 年齢階級別退院患者数
- 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
- 成人市中肺炎の重症度別患者数等
- 脳梗塞の患者数等
- 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
指標1 年齢階級別退院患者数【ファイルをダウンロード】
年齢区分 | 0~ | 10~ | 20~ | 30~ | 40~ | 50~ | 60~ | 70~ | 80~ | 90~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
患者数 | 1,016 | 349 | 370 | 507 | 699 | 1,261 | 2,125 | 3,777 | 2,456 | 589 |
当院は、三次救急医療を担う救命救急センター、県がん診療連携拠点病院として先進的ながん治療を行うがん医療センターや陽子線がん治療センター、急性期中心のこころの医療センターなど、県全域をカバーする基幹病院として高度な医療を提供しており、新生児から高齢者まで幅広い年齢層の患者さんの診療を行っています。
特に、リスクの高い出産や低体重で生まれてくる赤ちゃんの治療を行う総合周産期母子医療センターがあるため、0歳代の患者さんが多くなっており、全体の7%以上を占めています。
また、高齢化により、脳や心臓の血管の病気やがんの患者さん、呼吸器の患者さんが多く、60歳以上の患者さんが全体の約7割を占めています。
指標2 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)【ファイルをダウンロード】
一般内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
161070xxxxx00x | 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2なし 定義副傷病なし | 29 | 2.45 | 3.58 | 3.45% | 36.21 | パス |
170020xxxxxx0x | 精神作用物質使用による精神及び行動の障害 定義副傷病なし | 18 | 1.50 | 2.68 | 0.00% | 37.17 | パス |
161060xx99x0xx | 詳細不明の損傷等 手術なし 手術・処置等2なし | 11 | 1.91 | 2.63 | 0.00% | 35.18 | パス |
161070xxxxx01x | 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2なし 定義副傷病あり | - | - | 6.07 | - | - | |
161070xxxxx1xx | 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等21あり | - | - | 8.87 | - | - |
消化器内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060100xx01xxxx | 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 | 413 | 2.07 | 2.57 | 0.00% | 67.74 | パス |
060340xx03x00x | 胆管(肝内外)結石、胆管炎限局性腹腔膿瘍手術等手術・処置等2なし定義副傷病なし | 125 | 9.14 | 8.88 | 4.00% | 78.09 | パス |
060020xx04xxxx | 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 | 64 | 7.38 | 7.45 | 0.00% | 73.67 | パス |
060102xx99xxxx | 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし | 58 | 6.86 | 7.60 | 0.00% | 67.17 | パス |
06007xxx9900xx | 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし | 48 | 11.58 | 11.01 | 0.00% | 76.67 |
呼吸器内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040040xx9910xx | 肺がんの検査 | 109 | 2.17 | 3.03 | 0.00% | 71.37 | パス |
040040xx99040x | 肺がんの化学療法 | 94 | 6.74 | 8.16 | 1.06% | 71.84 | パス |
0400802499x0xx | 高齢者の市中肺炎 | 88 | 13.89 | 16.40 | 17.05% | 82.42 | パス |
040040xx990Axx | 肺がんの免疫療法 | 74 | 10.23 | 9.78 | 0.00% | 69.03 | パス |
040150xx99x0xx | 肺膿瘍・膿胸などの感染症 | 58 | 17.93 | 22.28 | 8.62% | 71.31 | パス |
第3位、第5位には、呼吸器感染症の市中肺炎や肺膿瘍、膿胸の診療が多くなっていますが、感染症専門医による適切な診断・治療を行っていますので、安心して受診してください。
循環器内科 脳心臓血管センター
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
050050xx0200xx | 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし | 138 | 4.25 | 4.18 | 0.00% | 68.97 | パス |
110280xx03x0xx | 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 内シャント血栓除去術等 手術・処置等2なし | 129 | 1.57 | 3.82 | 2.33% | 71.68 | パス |
050070xx03x0xx | 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2なし | 96 | 4.24 | 4.47 | 0.00% | 67.43 | パス |
050130xx9900x0 | 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 | 90 | 17.10 | 17.33 | 24.44% | 84.36 | パス |
050050xx9920xx | 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等12あり 手術・処置等2なし | 72 | 3.07 | 3.27 | 0.00% | 70.82 | パス |
腎臓・膠原病内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
110280xx9900xx | 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし | 30 | 14.33 | 11.35 | 20.00% | 67.60 | パス |
110280xx9901xx | 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり | 29 | 15.55 | 13.75 | 0.00% | 69.72 | |
110280xx03x0xx | 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 内シャント血栓除去術等 手術・処置等2なし | 25 | 3.28 | 3.82 | 16.00% | 71.60 | |
070560xxxxx00x | 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術・処置等2なし 定義副傷病なし | 23 | 18.35 | 14.93 | 4.35% | 61.74 | |
110280xx02x1xx | 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等21あり | 23 | 39.13 | 33.81 | 13.04% | 73.43 |
1. 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全
最も多く診療しているのは、慢性腎炎症候群、慢性間質性腎炎、慢性腎不全です。腎機能が急速に悪化した方、脱水症などの合併症で入院される方、またIgA腎症に対してステロイドパルス療法を受ける方など、幅広い患者さんが含まれます。腎臓病は自覚症状が少ないことが多いですが、治療により腎炎の寛解や腎不全の進行抑制を目指しています。
2.透析患者さんの合併症
次に多いのは、維持透析中に感染症や心不全を合併し、入院治療を必要とする症例です。当院は透析合併症に対応する体制を整え、地域の患者さんを支えています。
3.透析シャントの血栓除去術など
3番目は、維持透析患者さんで、内シャントが使用できなくなり、カテーテルによる血栓除去術などを必要とする症例です。透析患者さんの高齢化で内シャントの問題が増えており、緊急入院が必要になることも少なくありません。治療が奏功すれば短期間で退院が可能です。
4.自己免疫疾患・膠原病
多様な臓器障害を伴う全身性エリテマトーデスや血管炎などは、診断や治療が難しい場合があり、専門的かつ幅広い知識が求められる疾患です。当院は腎臓・膠原病内科を中心に他科と連携し、総合的に診療できることが強みです。
5.透析シャント手術
5番目は、慢性腎不全、維持透析中の患者さんで、動脈形成術や吻合術といった内シャントの手術を要する症例です。手術は心臓血管外科が担当し、豊富な経験をもとに多数の手術を行っており、地域の透析医療を担っています。
内分泌・代謝内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
10007xxxxxx1xx | 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等21あり | 97 | 11.97 | 13.77 | 2.06% | 65.29 | パス |
040081xx99x0xx | 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし | 22 | 20.50 | 20.78 | 31.82% | 82.68 | パス |
100040xxxxx00x | 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡手術・処置等2なし定義副傷病なし | 15 | 11.73 | 13.07 | 6.67% | 53.60 | パス |
100393xx99xxxx | その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害 手術なし | 15 | 13.13 | 9.83 | 13.33% | 73.20 | |
110310xx99xxxx | 腎臓又は尿路の感染症 手術なし | 15 | 14.33 | 13.66 | 46.67% | 75.60 |
血液・腫瘍内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
130060xx97x40x | 骨髄異形成症候群 手術あり 手術・処置等24あり 定義副傷病なし | 53 | 12.40 | 18.57 | 3.77% | 78.68 | パス |
130010xx99x9xx | 急性白血病 手術なし 手術・処置等29あり | 52 | 8.85 | 12.45 | 0.00% | 77.08 | パス |
130010xx97x9xx | 急性白血病 手術あり 手術・処置等29あり | 51 | 29.22 | 34.69 | 0.00% | 73.33 | パス |
130030xx99xBxx | 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2Bあり | 47 | 8.72 | 12.23 | 0.00% | 72.91 | |
130030xx99x6xx | 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等26あり | 46 | 9.17 | 15.67 | 0.00% | 67.41 | パス |
1番目に多く入院されるのは急性白血病の患者さんです。急性白血病の治療には主に70歳までの方におこなう「強い治療」と、ご高齢の方や他の病気の合併症がある方に行う「やや弱い治療」があります。「強い治療」は私たちの最も得意とする分野です。最近は人口の高齢化にともない「強い治療」ができない方が増えてきましたが2018年以降はゾスパタ、ヴァンフリタ、ベネクレクスタ、ディブソボという新薬が次々と認可され「やや弱い治療」が大きく進化しています。私たちは「やや弱い治療」の経験を積みあげ十分に使いこなす事ができます。「強い治療」「やや弱い治療」どちらも入院が必要で患者さん・ご家族様にとってご負担は大きいのですが、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、リハビリテーションスタッフなど全職種が協力して、治療を完遂できるようサポートさせていただきます。
2番目に多く入院される患者さんは非ホジキンリンパ腫の患者さんです。びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対して2021年にポライビーが認可され、治療成績の向上がさらに期待できるようになりました。再発された方でもトレアキシン、イムブルビカ、ベレキシブルなどの新薬が使えるようになり様々な治療選択がとれるようになってきました。
3番目に多く入院されるのは骨髄異形成症候群の患者さんです。ビダーザというお薬は骨髄異形成症候群に対する効果が骨髄移植以外で唯一証明されている治療法です。骨髄移植が適応とならない70歳以上の方にお勧めしています。1回あたりの治療時間は30分程度と短いのですが、1週間連続して治療を行いますのでこの期間は入院していただきます。入院期間中に輸血を受けて頂く方もいます。
脳神経内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
010060xx99x40x | 脳梗塞 手術なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし | 76 | 13.22 | 16.89 | 34.21% | 75.57 | |
110310xx99xxxx | 腎臓又は尿路の感染症 手術なし | 20 | 16.25 | 13.66 | 40.00% | 82.80 | |
010080xx99x0x1 | 脳脊髄の感染を伴う炎症 手術なし 手術・処置等2なし15歳以上 | 15 | 24.20 | 15.94 | 26.67% | 58.27 | |
010130xx99x4xx | 重症筋無力症 手術なし 手術・処置等24あり | 15 | 10.07 | 15.11 | 0.00% | 38.60 | |
010110xxxxx40x | 免疫介在性・炎症性ニューロパチー 手術・処置等24あり 定義副傷病なし | 14 | 20.07 | 15.45 | 21.43% | 51.00 |
小児科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040090xxxxxxxx | 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) | 106 | 5.75 | 6.22 | 0.00% | 1.25 | パス |
0400801199x0xx | 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2なし | 60 | 6.05 | 5.61 | 0.00% | 5.47 | |
140010x199x0xx | 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし | 54 | 7.26 | 6.11 | 0.00% | 0.04 | |
140010x299x0xx | 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2なし | 44 | 17.02 | 11.83 | 6.82% | 0.05 | |
060380xxxxx0xx | ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし | 38 | 3.71 | 5.55 | 0.00% | 3.76 |
当院小児科では、一般的な病気から専門性の高い病気まであらゆる疾患群の診療に対応しており、小児の二次・三次救急を担当しているため、軽症からICUでの集中治療を必要とする重症まで様々な重症度の患者さんの入院を受け入れています。肺炎、気管支炎などの呼吸器感染症をはじめとする急性疾患については、基礎疾患のある方、新型コロナウイルス・RSウイルスなどの感染症のある患者さんを含め、集中治療を要する重症例の転院依頼も受け入れています。慢性疾患についても、各小児科医師の専門性を活かして入院での検査や治療を継続しています。令和6年度も感染症の流行が続き、呼吸器や消化管感染症を含め、感染症に関係する入院も多くなっています。的確な診断で効率の良い加療を行い、入院期間の短縮を目指しています。また、当院の母子医療センターでは、出生時体重1000g未満を含む低出生体重児や手術が必要な児などの重症新生児の治療を行っており、福井県の総合周産期母子医療センターとして数多くの診療経験を有しています。迎え搬送により急性期の新生児を他院から受け入れたり、母体搬送後に院内で安全に分娩管理した上でのNICUにて出生時の入院治療を行っています。当院NICUでの治療により全身状態が安定した新生児は、地域周産期母子医療センターと連携して転院治療を継続して頂くことで、一人でも多くの重症新生児を受け入れ地域医療に貢献出来るように努力しています。
外科・がん医療センター
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060160x001xxxx | 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 | 102 | 4.00 | 4.54 | 0.00% | 68.66 | パス |
060335xx0200xx | 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし | 93 | 6.01 | 7.05 | 0.00% | 66.58 | パス |
040040xx02x0xx | 肺の悪性腫瘍 肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの等 手術・処置等2なし | 88 | 7.10 | 9.82 | 0.00% | 69.30 | パス |
060035xx0100xx | 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし | 79 | 11.96 | 14.81 | 1.27% | 73.80 | パス |
090010xx010xxx | 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1なし | 75 | 9.28 | 9.77 | 0.00% | 61.61 | パス |
心臓血管外科 脳心臓血管センター
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
050163xx03x0xx | 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤ステントグラフト内挿術手術・処置等2なし | 49 | 9.59 | 10.18 | 2.04% | 75.90 | パス |
110280xx02x00x | 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全動脈形成術、吻合術 その他の動脈等手術・処置等2なし定義副傷病なし | 32 | 4.69 | 7.38 | 6.25% | 69.78 | パス |
050161xx9900xx | 大動脈解離手術なし手術・処置等1なし手術・処置等2なし | 23 | 11.91 | 16.32 | 13.04% | 76.78 | パス |
050180xx02xxxx | 静脈・リンパ管疾患下肢静脈瘤手術等 | 20 | 2.00 | 2.66 | 0.00% | 67.85 | パス |
050161xx01x1xx | 大動脈解離 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 上行大動脈及び弓部大動脈の同時手術等 手術・処置等21あり | 19 | 20.74 | 29.35 | 15.79% | 65.63 | パス |
1位は、腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術
2位は、慢性腎不全に対する内シャント造設術
3位は、急性B型大動脈解離に対する降圧療法
4位は、下肢静脈瘤に対するストリッピング手術
5位は、急性A型大動脈解離に対する人工血管置換術
腹部大動脈瘤の外科的治療のおよそ7割でステントグラフト内挿術を行っています。一方、胸部大動脈瘤でのステントグラフト内挿術は3割になります。ステントグラフト手術数は、現在では500例を超えています。当院には最先端の放射線透視装置を備えたハイブリッド手術室がありますので、精度の高い治療が可能です。福井県内で唯一の胸部大動脈瘤ステントグラフト指導医が在籍する施設であり、その責務は大きいと考えています。
急性A型大動脈解離では、積極的にオープン型ステントグラフトを用いた上行弓部大動脈置換術を行っています。大動脈解離、大動脈瘤破裂、急性心筋梗塞といった緊急性のある疾患に対しては休日・夜間を問わず対応しています。スタンフォードB型大動脈解離の場合は、基本的に内科的治療になります。
内シャント設置術では自己血管を用いることを基本としています。そのため、尺側皮静脈転位法も積極的に行っています。良好な静脈がない場合には人工血管を使用しています。
下肢静脈瘤の手術法は、局所麻酔でのストリッピング手術になります。1泊2日の入院になります。
整形外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
160800xx02xxxx | 股関節・大腿近位の骨折人工骨頭挿入術 肩、股等 | 147 | 21.83 | 25.29 | 82.99% | 81.19 | パス |
070343xx02x0xx | 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎内視鏡下椎弓切除術等手術・処置等2なし | 85 | 9.05 | 11.25 | 4.71% | 69.21 | パス |
070350xx01xxxx | 椎間板変性、ヘルニア内視鏡下椎間板摘出(切除)術 後方摘出術等 | 72 | 8.35 | 9.35 | 2.78% | 56.00 | パス |
07040xxx01xxxx | 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 | 48 | 17.21 | 18.76 | 10.42% | 69.42 | パス |
160760xx01xxxx | 前腕の骨折 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨等 | 29 | 4.79 | 5.95 | 3.45% | 64.72 | パス |
整形外科で最も多い傷病名の分類は大腿骨近位部骨折に対する人工骨頭挿入術です。この骨折は高齢者の代表的な骨折であり、寝たきりにならないようにほとんどの患者さんに手術治療を行っています。福井県では多くの医療機関が連携した大腿骨頚部骨折地域連携パスを運用しており、当院は手術を担当する急性期病院となっていますので、手術後8割以上の患者さんは3週間ほどで地域連携パスを用いて回復期病院へ転院して頂き、継続的にリハビリを受けて頂いています。
2番目に多い傷病名の分類は脊柱管狭窄症に対する内視鏡下椎弓切除術等です。内視鏡下椎弓形成術を主に行っていますが、当院には脊椎内視鏡下手術が可能な医師が2名常勤しており、様々な脊椎疾患に対して積極的に内視鏡下手術を行っています。術後創部痛が少なく、回復も早いのが特徴であり、平均9日で退院可能です。
3番目に多い傷病名の分類は腰椎椎間板ヘルニアに対する内視鏡下椎間板摘出術です。腰部脊柱管狭窄症と同様、腰椎椎間板ヘルニアに対しても積極的に内視鏡下手術を行っています。術後創部痛が少なく、回復も早いのが特徴であり、平均8日程度で退院可能です。
4番目に多い傷病名の分類は変形性股関節症や大腿骨頭壊死症に対する人工関節置換術です。当院では令和5年5月から人工股関節置換手術支援ロボット「ROSA Hip」を用いたロボット支援下人工股関節置換術を福井県で初めて導入しており、正確なインプラント設置や早期の術後回復が得られています。
5番目に多い傷病名の分類は前腕骨折の手術ありですが、その多くは手関節近くの骨折です。術後すぐに歩行できるため、数日で退院可能です。
形成外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
070010xx970xxx | 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 手術あり 手術・処置等1なし | 10 | 2.90 | 4.65 | 0.00% | 49.90 | |
160200xx030xxx | 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) 鼻骨骨折整復固定術等 手術・処置等1なし | - | - | 11.25 | - | - | パス |
090010xx05xxxx | 乳房の悪性腫瘍 ゲル充填人工乳房を用いた乳房再建術(乳房切除後) | - | - | 9.35 | - | - | |
080010xxxx0xxx | 膿皮症 手術・処置等1なし | - | - | 18.76 | - | - | パス |
100100xx97x0xx | 糖尿病足病変 手術あり 手術・処置等2なし | - | - | 5.95 | - | - |
顔面外傷、特に顔面骨骨折の治療を行う際には、できるだけ目立たない部分に、できるだけ小さい皮膚切開での手術を心掛けています。整復後の固定には、吸収性のプレート・スクリューを用いて(強固さの問題で使えない場合もありますが)、後に問題を残さないようにしています。
皮膚・骨・軟部腫瘍手術時には、術後に残る線状痕を皮膚皺線に合わせるなど、傷跡ができるだけ目立たなくなるよう心掛けています。
また膿皮症、熱傷等の外傷や腫瘍切除後の皮膚潰瘍や欠損の患者さんに対しての全層および分層の植皮術も多数行っており、この際も、整容的に、また植皮によるひきつれをできるだけ起こさないよう留意しながら、手術治療を行っています。
最近は、乳癌手術後に乳房再建を希望される患者様が増えてきました。乳房再検手術時には、乳腺外科医師と協力し、できるだけ乳癌手術前の形態に近くなるよう、また傷跡を最小に抑えるよう心掛けています。
糖尿病が原因の下肢の血行障害による皮膚潰瘍や壊疽の患者さんが増えています。循環器内科医師による血管内治療と併せて、できるだけ下肢の温存を図る外科的治療を行っています。
脳神経外科 脳心臓血管センター
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
010040x199x0xx | 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10以上) 手術なし 手術・処置等2なし | 58 | 22.16 | 22.21 | 65.52% | 73.59 | パス |
160100xx97x01x | 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病あり | 53 | 12.13 | 22.15 | 20.75% | 73.36 | パス |
160100xx99x01x | 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病あり | 47 | 13.47 | 19.12 | 25.53% | 64.94 | パス |
010060xx99x41x | 脳梗塞 手術なし 手術・処置等24あり 定義副傷病あり | 40 | 17.38 | 29.66 | 52.50% | 74.93 | |
010030xx991xxx | 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術・処置等1あり | 15 | 4.47 | 2.86 | 0.00% | 59.80 | パス |
皮膚科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
080010xxxx0xxx | 膿皮症 手術・処置等1なし | 30 | 13.27 | 12.98 | 3.33% | 63.70 | パス |
080020xxxxxxxx | 帯状疱疹 | 30 | 7.30 | 9.33 | 0.00% | 66.73 | パス |
080190xxxxxxxx | 脱毛症 | 15 | 3.00 | 3.29 | 0.00% | 39.93 | パス |
070395xx970xxx | 壊死性筋膜炎 手術あり 手術・処置等1なし | - | - | 35.40 | - | - | |
161070xxxxx00x | 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2なし 定義副傷病なし | - | - | 3.58 | - | - | パス |
分類上位2つの診断群は、疾患の特性もあって、ほとんどが緊急入院の患者さんです。全国データの平均在院日数と比較して当院では、蜂窩織炎の在院日数が長めですが、当院は三次救急医療機関であるための重症症例や、高齢などを背景に転院先調節を要する症例が少なからずあり、これらの期間延長を反映した数値と考えています。逆に帯状疱疹は短縮の傾向にありますが、早期入院加療の好影響もあるか治療結果は問題なく良好です。
脱毛症に対しては、入院の上でステロイドパルス療法を行っています。3日間注射予定の入院で、全例予定通りの退院となりました。
下位の重症疾病や薬疹どの診断群については、入院加療が可能な施設は県内でも限られます。必要に応じた侵襲的治療や免疫抑制療法などを、日本皮膚科学会の標準的治療に準じて行っています。
記載以外の疾患において、特に乾癬やアトピー性皮膚炎では、外用療法で効果不十分な症例に対しては内服薬や光線療法を追加し、さらに重症例では注射による生物学的製剤あるいは免疫抑制剤の導入を行っています。
その他の疾患においても、基幹総合病院の特色を活かして他科との連携を図りながら、最新最善の医療を提供できるように努めています。なお、当科における診療方針として、 可能なものは手術も含めて外来での診療を基本に検討しています。
泌尿器科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
110080xx991xxx | 前立腺の悪性腫瘍手術なし手術・処置等1あり | 111 | 2.88 | 2.45 | 1.80% | 73.03 | パス |
110070xx03x0xx | 膀胱腫瘍膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術手術・処置等2なし | 82 | 5.17 | 6.81 | 0.00% | 73.77 | パス |
110080xx03xxxx | 前立腺の悪性腫瘍経皮的放射線治療用金属マーカー留置術 | 52 | 2.00 | 2.59 | 0.00% | 71.60 | パス |
11012xxx03xxxx | 上部尿路疾患 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) | 52 | 2.08 | 2.40 | 0.00% | 58.42 | パス |
110080xx01xxxx | 前立腺の悪性腫瘍前立腺悪性腫瘍手術等 | 42 | 9.02 | 11.11 | 0.00% | 69.02 | パス |
残念ながら、前立腺癌と診断された場合には、ロボット支援下腹腔鏡下手術(お腹に6箇所穴を空けて、ロボット用手術器具を挿入して行う精緻な手術)を積極的に勧めています。また、陽子線治療も行っています。より精密な陽子線治療を行うため、下半身麻酔下に前立腺に3mm大の金属マーカーを留置しています。 尿管結石に対しては、可能な限り、体にドーム型の器械をあてて、衝撃波で砕いています。1泊2日で行っています。
産科・婦人科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
120180xx01xxxx | 胎児及び胎児付属物の異常子宮全摘術等 | 57 | 8.84 | 9.40 | 0.00% | 33.28 | パス |
120010xx99x30x | 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等23あり 定義副傷病なし | 50 | 8.14 | 4.12 | 0.00% | 60.54 | パス |
120070xx02xxxx | 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 | 49 | 6.04 | 5.97 | 0.00% | 45.73 | パス |
120060xx02xxxx | 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 | 44 | 6.61 | 5.88 | 0.00% | 45.89 | パス |
120140xxxxxxxx | 流産 | 35 | 1.80 | 2.44 | 0.00% | 36.20 | パス |
高齢妊娠などで合併症妊娠が増加しており、元気な赤ちゃんを出産するための帝王切開の重要性が増しています。当院は総合周産期母子医療センターを併設しているため、ハイリスク妊娠の妊婦さんが多く集まります。そのため、全分娩に占める帝王切開率が約30%となっていますが、ほとんどの方が元気な赤ちゃんを出産されています。
子宮の左右には卵巣卵管があり、合わせて付属器と呼ばれます。付属器が悪性腫瘍化すると、卵巣がん卵管がんとなります。薬物治療と手術療法が治療の主体であり、薬物治療では、以前より使用されていた細胞傷害性薬剤の他、分子標的薬、PARP阻害剤などの新しい薬剤が、入院或いは外来にて使用されています。
卵巣は女性の体の中で最も腫瘍の種類が多い臓器です。がんの様なものもありますが、その頻度は低く、皮様嚢腫(卵巣内に脂肪や毛髪がたまるもの)や子宮内膜症性嚢胞(卵巣内にチョコレート色の血液がたまるもの)、あるいは、唾液のような粘液がたまったり、尿のようなさらさらした水がたまるものなどの良性腫瘍が比較的多い状況です。これらの多くは薬物では完治しないので、腹腔鏡を用いて病巣部だけ摘出したり、あるいは、付属器全部を摘出したりします。腹部をほとんど切開しないので痛みも軽度で入院期間も短くなっています。
子宮筋腫などで子宮を摘出する手術には、お腹を10cm程度切開し子宮を摘出する方法(腹式子宮全摘出術)、お腹に一切傷をつけず膣から子宮を摘出する方法(腟式子宮全摘出術)、腹腔鏡やロボットを使って子宮を摘出する方法(腹腔鏡下腟式子宮全摘出術、ロボット支援下子宮全摘術)があります。いずれを選択するかは子宮の大きさ、癒着の程度、経腟分娩の有無などを参考に患者さんと相談しながら決めています。腹腔鏡やロボットを使って子宮を摘出する方法は、出血量の少なさ、手術侵襲の低さ、高度癒着症例にも対応できるなどの応用力の高さから、有用な方法であり、近年当院では実施回数が増えています。
流産は妊娠の1から2割で生じます。最近は、流産が確定した後直ぐに手術による子宮内容排出を行うケースは減っています。大半のケースは数週間内に自然排出となります。自然排出に至らないケース、不完全な排出で終わるケース、何らかの理由で手術が必要なケースには流産手術が入院にて行われます。手術による合併症を減らす方法として手動真空吸引法が採用されています。
眼科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
020110xx97xxx0 | 白内障、水晶体の疾患手術あり片眼 | 337 | 1.73 | 2.49 | 0.00% | 74.42 | パス |
020110xx97xxx1 | 白内障、水晶体の疾患手術あり両眼 | 50 | 3.64 | 4.29 | 0.00% | 72.58 | パス |
020200xx9710xx | 黄斑、後極変性手術あり手術・処置等1あり手術・処置等2なし | 10 | 5.10 | 5.47 | 0.00% | 69.10 | パス |
020240xx97xxx0 | 硝子体疾患手術あり片眼 | - | - | 4.83 | - | - | パス |
020230xx97x0xx | 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2なし | - | - | 2.74 | - | - | パス |
耳鼻いんこう科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
030428xxxxx0xx | 突発性難聴 手術・処置等2なし | 53 | 7.47 | 8.21 | 0.00% | 63.13 | パス |
030350xxxxxxxx | 慢性副鼻腔炎 | 47 | 5.06 | 5.84 | 0.00% | 50.47 | パス |
030240xx99xxxx | 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし | 42 | 5.55 | 5.63 | 0.00% | 38.88 | |
030150xx97xxxx | 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり | 40 | 5.55 | 6.68 | 0.00% | 59..98 | パス |
030400xx99xxxx | 前庭機能障害 手術なし | 31 | 5.84 | 4.67 | 0.00% | 68.13 |
突発性難聴は突然耳が聞こえにくくなる疾患で、発症後できるだけ早期に治療を始めています。
慢性副鼻腔炎の手術は、全例でナビゲーションを使用して安全性を確保しています。入院期間や術後治療の期間が短く満足度の高い手術となっています。
扁桃周囲膿瘍に対して、早期に扁桃周囲膿瘍切開術を行い、速やかな治癒をめざしています。
頭頚部腫瘍は、短期間の入院で、安全性と整容(手術跡の見た目)に配慮した手術を実施しています。
核医学科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
100020xx99x2xx | 甲状腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等22あり | 24 | 4.50 | 5.83 | 0.00% | 55.08 | パス |
06007xxx9909xx | 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等29あり | - | - | 3.19 | - | - | パス |
060040xx99xAxx | 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2Aあり | - | - | 3.21 | - | - | パス |
100020xx99x5xx | 甲状腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等25あり | - | - | 8.46 | - | - | パス |
180050xx99x4xx | ■その他の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等24あり | - | - | 3.17 | - | - | パス |
指標3 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数【ファイルをダウンロード】
初発 | 再発 | 病期分類 基準(※) |
版数 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Stage I | Stage II | Stage III | Stage IV | 不明 | ||||
胃癌 | 79 | 13 | 11 | 46 | 6 | 24 | 1 | UICC第8版 |
大腸癌 | 52 | 50 | 49 | 65 | 7 | 48 | 1 | UICC第8版 |
肝癌 | 7 | 25 | 25 | 6 | 1 | 75 | 1 | UICC第8版 |
肺癌 | 89 | 33 | 56 | 150 | 52 | 137 | 1 | UICC第8版 |
乳癌 | 61 | 63 | 40 | 21 | 0 | 18 | 1 | UICC第8版 |
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
当院の令和5年度における5大癌の病期分類と初発、再発患者数です。このデータは検査や治療途中の患者さんの状況を含んでいるため、がん登録からのデータとは異なり、厳密には正確な数字を表しているわけではありませんが、当院のある程度の立ち位置を示しているものと考えられます。
令和6年度は、新型コロナ感染症の影響(令和3年から5年、がん検診の中止、病院の受診控え)が終息し、がん診療において平静を取り戻した時期に相当します。
前年度までの状況との比較を各臓器別に見ていくと、胃癌でのStage I, II(早期)患者の著明な減少、肺癌のStage I(早期)、乳癌のStage II(早期)患者の増加が目立ちます。一方で、Stage IV(進行、転移)症例は大腸癌で減少、肺癌、乳癌で増加が目立ちます。その他、例年の傾向として、胃癌、乳癌は早期発見の方(Stage I)が非常に多いのに対し、大腸癌、肺癌は進行した方(Stage IV)が多いことが示されています。
これらのことは、福井県立病院が福井県内を代表してがん検診や人間ドックを推進していることが、胃癌、乳癌では早期の患者さんの発見、治療に結びついているのに対し、肺癌、大腸癌などでは、新型コロナ後の受診控えの影響が尾を引き、進行した患者さんが当院救命救急センターなどに受診される状態が継続していることを示しているといえます。
進行したがんとなる前に、日頃から生活習慣の改善に心がけ、がん検診や人間ドックを定期的に受けることを心がけましょう。
指標4 成人市中肺炎の重症度別患者数等【ファイルをダウンロード】
患者数 | 平均 在院日数 |
平均年齢 | |
---|---|---|---|
軽症 | 44 | 9.25 | 52.27 |
中等症 | 136 | 12.15 | 74.01 |
重症 | 48 | 23.17 | 77.65 |
超重症 | 25 | 17.80 | 83.76 |
不明 | - | - | - |
市中肺炎とは、病院外で日常生活をしていた人に発症した肺炎です。成人市中肺炎のなかでは入院適応となる中等症患者さんの入院が最も多い状況です。軽症から中等症、そして重症へと病気が重くなるにつれて、治療に日数がかかります。
全国では肺炎で亡くなられる方の97.5%が65歳以上、当院でも95.0%が65歳以上で、重症化する前の早期発見、早期治療が非常に大切です。咳や発熱、呼吸困難などの症状がありましたら、早めにかかりつけ医を受診してください。肺炎兆候がありましたら、紹介医を通じて呼吸器内科で対応させていただきます。また、当院救急外来は24時間対応を行っています。さらに当院は集中治療室(ICU)と高度治療室(HCU)を有していますので、超重症肺炎にも十分に対応可能です。
指標5 脳梗塞の患者数等【ファイルをダウンロード】
ICD10 | 傷病名 | 発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 |
---|---|---|---|---|---|---|
I63$ | 脳梗塞 | 3日以内 | 206 | 18.38 | 75.58 | 40.71% |
その他 | 20 | 16.00 | 69.85 | 3.54% |
指標6 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)【ファイルをダウンロード】
循環器内科 脳心臓血管センター
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K616-41 | 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 初回 | 118 | 0.05 | 0.53 | 2.54% | 71.45 | パス |
K5493 | 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) | 89 | 2.08 | 2.83 | 0.00% | 70.52 | パス |
K5951 | 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) | 71 | 1.11 | 2.63 | 1.41% | 69.28 | パス |
K616 | 四肢の血管拡張術・血栓除去術 | 51 | 1.14 | 4.94 | 13.73% | 74.61 | パス |
K5491 | 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) | 43 | 0.33 | 13.58 | 2.33% | 70.79 | パス |
腎臓・膠原病内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K6121イ | 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) | 37 | 10.11 | 24.00 | 8.11% | 69.89 | パス |
K616-41 | 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 初回 | 21 | 0.67 | 3.86 | 19.05% | 73.43 | パス |
K6147 | 血管移植術、バイパス移植術(その他の動脈) | - | - | - | - | - | パス |
K635-3 | 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 | - | - | - | - | - | |
K616-42 | 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(1の実施後3月以内に実施) | - | - | - | - | - | パス |
次に多いのは経皮的シャント拡張術・血栓除去術(VAIVT)です。内シャントの働きが弱くなったり、急に閉塞した場合に、循環器内科の医師がカテーテルを用いて治療します。さらに、内シャントの手術では、吻合する血管が少ない場合に、人工血管を使った移植術やバイパス移植術が行われることがあります。また、腹膜透析を始める際には、腹腔内にカテーテルを留置する手術が行われます。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K9212ロ | 造血幹細胞採取(末梢血幹細胞採取)(自家移植) | 11 | 4.64 | 2.55 | 0.00% | 57.64 | |
K6261 | リンパ節摘出術(長径3cm未満) | - | - | - | - | - | |
K1692 | 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) | - | - | - | - | - | パス |
K6112 | 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(四肢) | - | - | - | - | - | パス |
K783-2 | 経尿道的尿管ステント留置術 | - | - | - | - | - |
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K9131 | 新生児仮死蘇生術 仮死第1度のもの | 15 | 0.00 | 36.73 | 26.67% | 0.00 | |
K7151 | 腸重積症整復術 非観血的なもの | - | - | - | - | - | |
K664 | 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) | - | - | - | - | - | パス |
K9132 | 新生児仮死蘇生術 仮死第2度のもの | - | - | - | - | - | |
K2762 | 網膜光凝固術 その他特殊なもの(一連につき) | - | - | - | - | - |
一般小児科診療においては、開業小児科クリニックからの様々な御紹介に他科と連携して対応しています。当院には小児外科部門があるため、整復困難な腸重積症も診療可能で有り、また、逆に年少児や基礎疾患のある方の外科治療に関しては、小児科が全身管理を担当することによって、安全な手術を行えるように体制を整えています。
外科・がん医療センター
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K672-2 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 109 | 0.80 | 8.31 | 0.00% | 67.50 | パス |
K634 | 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) | 89 | 0.87 | 1.71 | 0.00% | 48.28 | パス |
K719-3 | 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 | 81 | 2.60 | 9.48 | 2.47% | 74.40 | パス |
K6335 | ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) | 77 | 0.82 | 1.58 | 0.00% | 38.25 | パス |
K718-21 | 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) | 52 | 0.54 | 2.77 | 0.00% | 28.19 | パス |
当院では新型コロナウイルス感染症が拡大している状況にあっても、救急医療を維持してきました。緊急手術の適応となる急性胆嚢炎に対する外科手術も制限することなく施行してきました。手術においては早期退院が可能な腹腔鏡下手術を積極的に行っています。R5年度の腹腔鏡下胆嚢摘出術件数は114件でR4年度より減少していますが、これは前年度新型コロナウィルス感染の蔓延で近隣の病院が緊急手術を制限したため当院での受け入れが多かったためと考えています。
鼡径ヘルニアは脆弱になった腹壁の穴から腸管が飛び出してくるようになった状態です。手術で腹壁の穴をふさぐことになりますが、当科では腹腔鏡下鼡径ヘルニア手術を多く行っています。手術後の疼痛軽減が早いため、手術後2日程での退院となっています。腹壁瘢痕ヘルニアとは過去に腹部手術を行った切開創部の腹壁縫合部が哆開し、皮下に腸管が飛び出すようになる状態です。根治には外科治療が必要となり当院でも多くの手術を行いました。
悪性腫瘍の手術に関しては、可能な限り早期の手術実施に努めてきました。結腸(大腸)癌に対しても腹腔鏡手術を行っておりR5年度の手術件数はR4年度と比べて若干減少 しています。乳癌の手術では、患者さんの要望に応えなるべく乳房を温存する乳房部分切除を主に行っています。
心臓血管外科 脳心臓血管センター
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K5612ロ | ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) | 38 | 1.63 | 7.11 | 5.26% | 75.21 | パス |
K6121イ | 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) | 31 | 0.39 | 3.39 | 9.68% | 68.29 | パス |
K5612イ | ステントグラフト内挿術(胸部大動脈) | 22 | 2.05 | 15.14 | 18.18% | 75.82 | パス |
K6171 | 下肢静脈瘤手術(抜去切除術) | 19 | 0.00 | 1.00 | 0.00% | 69.89 | パス |
K560-22ニ | オープン型ステントグラフト内挿術(上行弓部同時・その他) | 15 | 1.53 | 19.27 | 6.67% | 64.73 |
急性A型大動脈解離では、積極的にオープン型ステントグラフトを用いた上行弓部大動脈置換術を行っています。大動脈解離、大動脈瘤破裂、急性心筋梗塞といった緊急性のある疾患に対しては休日・夜間を問わず対応しています。
内シャント造設術では自己血管を用いることを基本としています。そのため、尺側皮静脈転位法も積極的に行っています。良好な静脈がない場合には人工血管を使用しています。
下肢静脈瘤の手術法は、局所麻酔でのストリッピング手術になります。1泊2日の入院になります。
整形外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K142-5 | 内視鏡下椎弓形成術 | 88 | 1.61 | 7.11 | 5.68% | 68.88 | パス |
K0461 | 骨折観血的手術(大腿) | 85 | 1.94 | 18.71 | 84.71% | 80.32 | パス |
K134-22 | 内視鏡下椎間板摘出(切除)術 後方摘出術 | 71 | 1.34 | 6.03 | 2.82% | 56.13 | パス |
K0811 | 人工骨頭挿入術(股) | 66 | 2.86 | 19.00 | 80.30% | 82.79 | パス |
K0821 | 人工関節置換術(股) | 49 | 1.33 | 15.04 | 14.29% | 68.80 | パス |
2番目に多い手術は大腿骨骨折に対する骨折観血的手術です。多くは高齢者の代表的な骨折である大腿骨転子部骨折であり、寝たきりにならないようにほとんどの患者さんに手術治療を行っています。福井県では多くの医療機関が連携した大腿骨頚部骨折地域連携パスを運用しており、当院は手術を担当する急性期病院となっていますので、手術後8割以上の患者さんは3週間ほどで地域連携パスを用いて回復期病院へ転院して頂き、継続的にリハビリを受けて頂いています。
3番目に多い手術は腰椎椎間板ヘルニアに対する内視鏡下椎間板摘出術です。腰部脊柱管狭窄症と同様、腰椎椎間板ヘルニアに対しても積極的に内視鏡下手術を行っています。術後創部痛が少なく、回復も早いのが特徴であり、平均7~8日程度で退院可能です。
4番目に多い手術は大腿骨頚部骨折に対する人工骨頭挿入術です。寝たきりにならないようにほとんどの患者さんに手術治療を行っています。福井県では多くの医療機関が連携した大腿骨頚部骨折地域連携パスを運用しており、当院は手術を担当する急性期病院となっていますので、手術後8割以上の患者さんは3週間ほどで地域連携パスを用いて回復期病院へ転院して頂き、継続的にリハビリを受けて頂いています。
5番目に多い手術は変形性股関節症や大腿骨頭壊死症に対する人工関節置換術です。当院では令和5年5月から人工股関節置換手術支援ロボット「ROSA Hip」を用いたロボット支援下人工股関節置換術を福井県で初めて導入しており、正確なインプラント設置や早期の術後回復が得られています。
脳神経外科 脳心臓血管センター
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K164-2 | 慢性硬膜下血腫洗浄・除去術(穿頭による) | 45 | 1.16 | 9.44 | 24.44% | 78.13 | パス |
K1781 | 脳血管内手術(1箇所) | 20 | 1.00 | 20.65 | 20.00% | 62.25 | |
K178-4 | 経皮的脳血栓回収術 | 20 | 0.65 | 31.45 | 85.00% | 77.60 | パス |
K1692 | 頭蓋内腫瘍摘出術(その他のもの) | 19 | 5.05 | 34.63 | 42.11% | 73.11 | パス |
K609-2 | 経皮的頸動脈ステント留置術 | 15 | 2.67 | 6.40 | 6.67% | 72.60 | パス |
頭蓋内腫瘍摘出術は、良性腫瘍では髄膜腫や下垂体腺腫の患者さんに、悪性腫瘍では転移性脳腫瘍や膠芽腫の患者さんに多く実施しています。手術は顕微鏡・内視鏡・外視鏡やナビゲーション、モニターを駆使して安全に行っています。悪性腫瘍の場合は化学療法や放射線(陽子線)治療を含む集学的治療が必要となります。
脳梗塞急性期の患者さんで主幹動脈閉塞している場合血栓回収術を含めカテーテルによる脳血管内手術の割合が増えており、救急搬送や他院から依頼された患者さんに実施しています。 頚動脈狭窄症に対してはカテーテルによる経皮的頚動脈ステント術を施行しています。
未破裂や破裂(くも膜下出血を合併した)の脳動脈瘤に対してはカテーテルによる脳動脈瘤塞栓術と開頭によるクリッピング術のどちらか安全な治療法を選択しています。 ハイブリッド手術室が運用開始となり、全身麻酔下にいっそう安全・確実に治療を行っています。
泌尿器科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K8036イ | 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) | 91 | 1.14 | 3.01 | 0.00% | 73.36 | パス |
K007-2 | 経皮的放射線治療用金属マーカー留置術 | 52 | 0.00 | 1.00 | 0.00% | 71.60 | パス |
K768 | 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) ) | 52 | 0.00 | 1.08 | 0.00% | 58.42 | パス |
K843-4 | 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) | 42 | 1.00 | 7.02 | 0.00% | 69.02 | パス |
K8411 | 経尿道的前立腺手術 電解質溶液利用のもの | 33 | 1.18 | 4.88 | 0.00% | 73.39 | パス |
前立腺癌に対して陽子線治療を行っていますが、より精密に施行するため、下半身麻酔下に前立腺に3mm大の金属マーカーを留置しております。前立腺癌の治療として他には、ロボット支援下腹腔鏡下手術(お腹に6箇所穴を空けて、ロボット用手術器具を挿入して行う精緻な手術)を積極的に勧めています。
尿路結石に対しては、令和元年10月に導入した新規の体外衝撃波破砕装置によって結石を破砕し、患者さんがなるべく早く痛みから解放されるように努めています。体外衝撃波破砕装置で砕けなかった場合等は、全身麻酔か下半身麻酔をかけて、細い内視鏡を尿管内に挿入し、レーザーで細かく砕いた後、砕石片を抽石してきます。
産科・婦人科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K8982 | 帝王切開術(選択帝王切開) | 71 | 5.77 | 6.72 | 0.00% | 32.79 | パス |
K8882 | 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) | 70 | 0.99 | 3.81 | 0.00% | 47.04 | パス |
K8981 | 帝王切開術(緊急帝王切開) | 62 | 8.08 | 7.39 | 0.00% | 32.68 | パス |
K877-2 | 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 | 51 | 1.29 | 4.29 | 0.00% | 47.41 | パス |
K9091イ | 流産手術(妊娠11週まで)(手動真空吸引法) | 30 | 0.07 | 0.57 | 0.00% | 35.77 | パス |
子宮付属器とは子宮の両側にある卵巣と卵管のことです。このうち卵巣は女性の体の中で最も腫瘍(おでき)の種類が多い臓器です。がんの様なものもありますが、その頻度は低く、皮様嚢腫(卵巣内に脂肪や毛髪がたまるもの)や子宮内膜症性嚢胞(卵巣内にチョコレート色の血液がたまるもの)、あるいは、唾液のような粘液がたまったり、尿のようなさらさらした水がたまるものなどの良性腫瘍が比較的多い状況です。これらの多くは薬物では完治しないので、腹腔鏡を用いて病巣部だけ摘出したり、あるいは、付属器全部を摘出したりします。腹部をほとんど切開しないので痛みも軽度で入院期間も短くなっています。
子宮筋腫などで子宮を摘出する手術には、お腹を10cm程度切開し子宮を摘出する方法(腹式子宮全摘出術)、お腹に一切傷をつけず膣から子宮を摘出する方法(腟式子宮全摘出術)、腹腔鏡やロボットを使って子宮を摘出する方法(腹腔鏡下腟式子宮全摘出術、ロボット支援下子宮全摘術)があります。いずれを選択するかは子宮の大きさ、癒着の程度、経腟分娩の有無などを参考に患者さんと相談しながら決めています。腹腔鏡やロボットを使って子宮を摘出する方法は、出血量の少なさ、手術侵襲の低さ、高度癒着症例にも対応できるなどの応用力の高さから、有用な方法であり、近年当院では実施回数が増えています。
流産は妊娠の1から2割で生じます。最近は、流産が確定した後直ぐに手術による子宮内容排出を行うケースは減っています。大半のケースは数週間内に自然排出となります。自然排出に至らないケース、不完全な排出で終わるケース、何らかの理由で手術が必要なケースには流産手術が行われます。手術による合併症を減らす方法として手動真空吸引法が採用されています。
眼科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K2821ロ | 水晶体再建術(眼内レンズ挿入)(その他) | 388 | 0.09 | 0.90 | 0.00% | 74.20 | パス |
K2801 | 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含むもの) | 17 | 0.12 | 4.06 | 0.00% | 70.53 | パス |
K2802 | 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他のもの) | - | - | - | - | - | パス |
K279 | 硝子体切除術 | - | - | - | - | - | |
K2193 | 眼瞼下垂症手術(その他のもの) | - | - | - | - | - | パス |
耳鼻いんこう科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K3772 | 口蓋扁桃手術(摘出) | 42 | 0.98 | 6.83 | 0.00% | 29.95 | パス |
K340-6 | 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) | 34 | 1.00 | 3.18 | 0.00% | 50.44 | パス |
K347-3 | 内視鏡下鼻中隔手術Ⅰ型(骨、軟骨手術) | 18 | 1.00 | 3.17 | 0.00% | 32.22 | パス |
K368 | 扁桃周囲膿瘍切開術 | 18 | 0.06 | 4.83 | 0.00% | 39.72 | |
K4611 | 甲状腺腫摘出術(片葉のみの場合) | 18 | 1.00 | 4.28 | 0.00% | 56.22 | パス |
内視鏡下鼻・副鼻腔手術: 全例でナビゲーションを使用し安全性を確保しています。入院期間や術後治療の期間が短く満足度の高い手術となっています。
内視鏡下鼻中隔手術: 術後即座に効果が感じられる、満足度の高い手術です。前方彎曲などの難治症例にも対応します。
扁桃周囲膿瘍切開術: 治療期間の短縮のため、なるべく早く実施しています。
甲状腺腫瘍摘出術: 安全性と整容(手術跡の見た目)に配慮した手術を実施しています。
指標7 その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)【ファイルをダウンロード】
DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
---|---|---|---|---|
130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 | - | - |
異なる | - | - | ||
180010 | 敗血症 | 同一 | 30 | 0.23% |
異なる | - | - | ||
180035 | その他の真菌感染症 | 同一 | - | - |
異なる | - | - | ||
180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | 48 | 0.36% |
異なる | - | - |
手術・処置等の合併症とは、手術や処置を行う場合に一定の割合で発生してしまう合併症を指し、いわゆる”医療ミス”を示すものではありません。「入院契機と同一」の患者さんは、最初から合併症の治療を目的に当院に入院された患者さんであり、「入院契機と異なる」の患者さんは入院中に手術や処置等を行った後に合併症のみられた患者さんの数を意味しています。「入院契機と同一」の患者さんの中には当院の患者さんだけでなく、他の病院からの患者さんも数多く含まれています。R5年度の33例からR6年度は48例と増加していますが、他の医療機関では対応不可能な多疾患(心臓が悪いがん疾患、精神病をもつ心臓病など)に罹患した患者さんが多いことを示していると推測しています。
医療の質指標
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率【ファイルをダウンロード】
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが 「中」以上の手術を施行した 退院患者数(分母) |
分母のうち、肺血栓塞栓症の 予防対策が実施された患者数(分子) |
リスクレベルが「中」以上の手術を 施行した患者の肺血栓塞栓症の 予防対策の実施率 |
---|---|---|
1,660 | 1,588 | 95.66% |
予防対策としては弾性ストッキングの着用や間歇的空気圧迫装置、抗凝固薬の投与があります。
当院での予防対策実施率は 95.66%と非常に高水準となっています。
血液培養2セット実施率 【ファイルをダウンロード】
血液培養オーダー日数(分母) | 血液培養オーダーが1日に 2件以上ある日数(分子) |
血液培養2セット実施率 |
---|---|---|
3,591 | 2,583 | 71.93% |
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率 【ファイルをダウンロード】
広域スペクトルの抗菌薬が 処方された退院患者数(分母) |
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日 までの間に細菌培養同定検査が 実施された患者数(分子) |
広域スペクトル抗菌薬使用時の 細菌培養実施率 |
---|---|---|
1,299 | 1,077 | 82.91% |
転倒・転落発生率 【ファイルをダウンロード】
院患者の在院日数の総和 もしくは入院患者延べ数(分母) |
退院患者に発生した転倒・転落件数 (分子) |
転倒・転落発生率 |
---|---|---|
139,086 | 245 | 1.76% |
退院患者の在院日数の総和 もしくは入院患者延べ数(分母) |
退院患者に発生した転倒・転落件数 (分子) |
転倒・転落発生率 |
---|---|---|
139,086 | 21 | 0.15% |
全身麻酔手術で、 予防的抗菌薬投与が実施された 手術件数(分母) |
分母のうち、手術開始前 1時間以内に予防的抗菌薬が 投与開始された手術件数(分子) |
手術開始前1時間以内の 予防的抗菌薬投与率 |
---|---|---|
1,864 | 1,790 | 96.03% |
令和6年度、手術スタートからさかのぼって1時間以内に予防目的の抗菌薬投与を行った割合は96%と高率でした。
1時間以内に投与できなかった症例を精査し、さらなる改善に向けて活動しています。
退院患者の在院日数の総和もしくは 除外条件に該当する患者を除いた 入院患者延べ数(分母) |
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上 の褥瘡)の発生患者数(分子) |
d2(真皮までの損傷)以上の 褥瘡発生率 |
---|---|---|
174,425 | 55 | 0.03% |
褥瘡管理チームや各病棟での医療従事者のケア対応を油断せず継続し、今後も引き続き良好な治療水準を維持出来るように、病院全体で取り組みを継続してまいります。
65歳以上の入院早期の栄養アセスメント実施割合 【ファイルをダウンロード】
65歳以上の退院患者数 (分母) |
分母のうち、入院後48時間以内に 栄養アセスメントが実施された 患者数(分子) |
65歳以上の患者の入院早期の 栄養アセスメント実施割合 |
---|---|---|
7,682 | 6,265 | 81.55% |
退院患者の在院日数の総和 (分母) |
分母のうち、身体的拘束日数の総和 (分子) |
身体的拘束の実施率 |
---|---|---|
178,978 | 22,791 | 12.73% |
治療や検査の標準的な経過など、入院中の予定をスケジュール表にまとめた患者さん用の入院診療計画書です。